一方、ヘルスケアや金融、製造業の銘柄は、前日の急伸を受けて利益確定の売りが優勢となった。市場では「AIの力で爆発的な成長が見込まれる企業と、そうでない企業の差がますます開いていきそうだ」(日系証券)との声が聞かれた。
ダウ平均の構成銘柄ではないが、オラクルが連日で大幅に上昇した。ダウ平均の構成銘柄ではAI半導体を手掛けるエヌビディアやクラウド事業のマイクロソフトが計画に参画するといい、ともに4%高となった。技術面で連携する英半導体設計のアーム・ホールディングスは16%近く上昇するなど、半導体株の一角への買いが目立った。
半面、トランプ政権の貿易政策への不透明感がくすぶり、相場の重荷となった。トランプ大統領は21日の記者会見で2月1日から中国の輸入品に10%の追加関税を課すことを検討していると明らかにした。すでにカナダとメキシコからの輸入品に2月から25%の関税をかける可能性を示しており、貿易摩擦の米景気への悪影響も意識された。
個別銘柄ではハイテク以外ではアナリストが投資判断を引き上げたスリーエムが買われた。セールスフォースやアメリカン・エキスプレスも高い。一方、22日に四半期決算を発表したジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は売られた。ホーム・デポやシェブロンも安い。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3日続伸した。前日比252.561ポイント(1.27%)高の2万0009.340(速報値)で終え、約1カ月ぶりに2万台を回復した。メタプラットフォームズが買われたほか、パランティア・テクノロジーズは5%高となった。
多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は3日続伸し、前日比37.13ポイント(0.61%)高の6086.37(速報値)で終えた。取引時間中には6100台に乗せ、昨年12月6日につけた最高値(6090.27)を上回る場面があった。
【シカゴ日本株先物概況】
22日のシカゴ日経平均先物は上昇した。3月物は前日比530円高の3万9805円で終えた。この日はトランプ米政権による人工知能(AI)インフラ投資への期待感から日米でハイテク株が上昇しており、シカゴ市場の日経平均先物にも買いが優勢だった。
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
■ドイツ・フランクフルト株価指数
22日のドイツ株価指数(DAX)は7日続伸した。終値は前日比212.27ポイント(1.00%)高の2万1254.27と、最高値を更新した。21日に公表した2024年10〜12月期の売上高が市場予想を上回ったスポーツ用品大手アディダスが6%高となり、指数をけん引した。
個別では、エネルギー大手シーメンス・エナジーが6.53%高、スポーツ用品大手アディダスが6.04%高、ミュンヘン再保険が4.15%高と相場をけん引。半面、電力大手RWEは2.55%安、高級車メーカーのポルシェは2.35%安、製薬大手バイエルは2.12%安で取引を終えた。
■フランス・パリ株価指数
フランスの株価指数CAC40は7日続伸し、前日比0.85%高で終えた。終値は7837.40と24年6月中旬以来、約7カ月ぶりの高値となった。米国で前日に人工知能(AI)開発事業への巨額投資計画が発表されたのに関連して、恩恵が見込めそうな銘柄に買いが入った。
電機大手シュナイダー・エレクトリックや3Dソフトウエアのダッソー・システムズが上昇。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンなど消費の一角が買われた。他方、石油大手トタルエナジーズは下げた。
