3日ぶり反落274ドル安、早期利下げ期待が後退

5日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落し、前週末比274ドル30セント(0.70%)安の3万8380ドル12セントで終えた。米連邦準備理事会(FRB)による早期の利下げ観測が後退し、相場を押し下げた。前週末にかけて指数は最高値を更新し、主力株を中心に利益確定売りも出た。
 
FRBのパウエル議長が前日放送のテレビ番組で、利下げの時期について慎重に検討する考えを述べた。
3月や5月にも利下げが行われるとの見方が弱まり、市場心理が悪化した。
先月下旬以降、連日のように過去最高値の更新が続いていたことで、利益確定の売りも出やすかった。

 
邦銀担当者は「想定を上回る勢いで株価の上昇が続き、買い時を逃している投資家も多い。パウエル氏の発言がちょうど良い売り材料になった」と分析した。ダウは午前中に一時400ドル超下落したが、終盤にかけ買いも入り、下げ幅を縮めた。
 
5日発表の1月の米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業(サービス業)景況感指数は53.4と市場予想(52.0)を上回った。個別指数では「価格」が大きく上昇した。
 
市場では「企業がコスト増を値上げで顧客に転嫁している」との見方があり、根強いインフレが続くと懸念された。発表後に米長期金利が上昇し、株式の相対的な割高感を意識した売りも出た。
 
ダウ平均の下げ幅は一時430ドル超に達したが、主力銘柄への売り一巡後は下げ渋った。米経済が底堅さを維持し、ソフトランディング(軟着陸)に向かうとの期待が主力株への押し目買いを誘った。
 
個別では、決算で売上高が市場予想に届かなかった外食のマクドナルドへの売りが目立った。工業製品・事務用品のスリーエムとドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスも下落した。半面、スマートフォンのアップルが上昇。四半期決算で1株利益が市場予想を上回った建機のキャタピラーも高かった。
 
ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反落した。前週末比31.277ポイント(0.20%)安の1万5597.677で終えた。電気自動車のテスラや交流サイトのメタプラットフォームズが下げた。
 

【シカゴ日本株先物概況】
 

5日のシカゴ日経平均先物は下落した。3月物は前週末比75円安の3万6335円で終えた。
NYダウは、早期の米利下げ期待が後退したことを受け3営業日ぶりに反落した。
同日の米株式相場が下落し、日経平均先物にも売りが波及した。
 
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
36335 ( -45 )


シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
36350 ( -30 )


( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】
 

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7612.86(-2.68)
 
5日のFTSE100種総合株価指数は小幅に4日続落し、前週末比2.68ポイント(0.03%)安の7612.86で終えた。米国での早期利下げ観測が後退し、投資家心理の重荷となった。

外国為替市場でのドル高を一因にドル建てで取引される金や銅、アルミニウムなどに割高感を意識した売りが出て、スイスのグレンコアなど資源株の下げにつながった。イランが制裁を回避するために口座を利用したと伝わった英ロイズ・バンキング・グループ株も下げた。一方で一部金融機関が目標株価を引き上げた製薬大手GSK株が上昇。日用品などの関連銘柄にも買いが入った。

FTSEの構成銘柄では、小売り大手JDスポーツ・ファッションが5.27%安、通信大手エアテル・アフリカが4.40%安、建機レンタルのアシュテッド・グループが4.34%安と下げを主導した。一方、オンライン食品販売大手オカド・グループは3.56%高、製薬大手GSKは3.19%高、特殊化学品大手クローダ・インターナショナルは1.65%高と買われた。
 
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 16904.06(-14.15)

5日のドイツ株価指数(DAX)は小幅に反落し、前週末比14.15ポイント(0.08%)安の1万6904.06で終えた。欧米の金利上昇や米国での早期利下げ観測後退を背景に、欧州の取引時間中に米株式相場が下落して始まり、投資家心理を冷やした。

不動産株に売りが出たほか、前週末までに株価水準が切り上がっていた自動車株も下げた。

 

 

 

個別では、ドイツ銀行が2.74%安、自動車部品大手コンチネンタルが2.50%安、自動車大手メルセデス・ベンツが1.80%安だった。半面、増配と自社株買いの計画を公表した化粧品大手バイヤスドルフは3.96%高、半導体大手インフィニオン・テクノロジーズは3.12%高、ハノーバー再保険は2.17%高だった。

 

 

■フランス・パリ株価指数
CAC40 7589.96(-2.30)

フランスCAC40種指数は0.03%安だった。米早期利下げ観測が後退。欧州市場でも金利が上昇し、株価の重しとなった。

 

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