21日のNYダウ工業株30種平均は3日ぶりに小幅に反発し、前日比48ドル44セント高の3万8612ドル24セントで終えた。前日までの下落を受け、割安感が出た銘柄に買いが入った。午後に公表された1月30〜31日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨で、米連邦準備理事会(FRB)が早期の利下げに慎重な姿勢を示したと受け止められ、相場の重荷となった。
生成AI(人工知能)向け半導体で圧倒的なシェアを持つエヌビディアは、この日の引け後に決算を発表。市場では業績を見極めようと様子見姿勢が広がり、終盤近くまでハイテク銘柄を中心に軟調な展開が続いた。ただ、引け直前は米景気の底堅さを背景に大手メーカーなどが買われ、ダウはプラス圏に浮上した。
先月末に開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨が公表され、大半の会合参加者が性急な利下げへの警戒感を示していたことが明らかになった。早期の米利下げ観測が後退し、公表後に一時ダウはマイナス幅を拡大した。
個別銘柄では、スポーツ用品のナイキと化学のダウが上げた。建機のキャタピラーも買われた。半面、ダウ平均の構成銘柄からの除外が決まったドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスが下げた。映画・娯楽のウォルト・ディズニーも安かった。
ナスダック総合株価指数は3日続落した。前日比49.913ポイント(0.31%)安の1万5580.870で終えた。半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)などが下げた。ダウ平均に26日から採用されるネット通販のアマゾン・ドット・コムは買われた。
【債券】
ニューヨーク債券市場で米長期金利の指標となる10年債利回りは上昇し、4.3%台で推移している。
【為替】
ニューヨーク外国為替市場で円相場は1ドル=150円台前半で推移している。
【シカゴ日本株先物概況
21日のシカゴ日経平均先物は上昇した。3月物は前日比115円高の3万8410円で終えた。日本株の先高観が根強く、日経平均先物に買いが優勢となった。
NYダウ平均は米半導体大手エヌビディアの決算発表を控え投資家の警戒感が強い中を3営業日ぶりに反発した。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
38410 ( +120 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
38420 ( +130 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7662.51(-56.70)
21日のFTSE100種総合株価指数は続落し、前日比56.70ポイント(0.73%)安の7662.51で終えた。21日公表した2023年12月通期決算で純利益が市場予想を下回った英金融大手HSBCホールディングス株が前日比8%安と大きく下げ、指数を下押しした。
21日公表した23年12月通期決算が減益となった英豪リオティントとスイスのグレンコアなど資源株にも売りが出た。一方で英シェルなどエネルギー株には買いが入り、指数を下支えした。
FTSEの構成銘柄では、HSBCが8.39%安と急落したほか、エネルギー小売り大手セントリカが3.07%安、賭け屋大手エンテインも2.62%安。他方でインターコンチネンタル・ホテルズ・グループは2.35%高、航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)は2.20%高、通信大手BTは1.64%高だった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 17118.12(+49.69)
21日のドイツ株価指数(DAX)は3営業日ぶりに反発し、前日比49.69ポイント(0.29%)高の1万7118.12で終えた。3営業日ぶりに最高値を更新した。
個別では、エネルギー大手シーメンス・エナジーが3.35%高、自動車大手BMWが2.44%高、高級車メーカーのポルシェが2.25%高と買われた。半面、医療機器のシーメンス・ヘルシニアーズは2.95%安、香料大手シムライズは1.42%安、ドイツ取引所は1.27%安で取引を終えた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7812.09(+16.87)
欧州株式市場ではフランスの主要な株価指数であるCAC40が21日まで6日続伸し、最高値を更新した。終値は前日比16.87ポイント(0.21%)高の7812.09だった。前日に2023年12月通期決算とあわせて増配計画を示した仏スーパー大手カルフールの株価上昇が目立った。公益やエネルギー株にも買いが入った。
