3日ぶり反発、199円高。米中貿易交渉の進展期待

29日前引けの日経平均株価は3日ぶり反発し、前日比199円17銭高の2万1232円93銭だった。
東証株価指数(TOPIX)は10.73ポイント高の1593.58と、ともに反発した。
 
前日の米株高に加え、為替がドル高・円安方向に振れたことで広範囲に買い戻される流れとなった。再開された米中閣僚級会議で貿易摩擦解消に向け交渉が進展しているとの観測が追い風となっている。
為替相場もリスクオフムードの和らぎを受けて、1ドル=110円台後半と円安に振れた。
これら外部環境の好転により、日経平均は寄り付き直後から上伸、買いが優勢となった。
一時230円超と上げ幅を広げたが、受け渡し日ベースで実質的に新年度入りし、国内金融機関から期初の益出し売りが出ていることなどが相場の重荷になったため、買い注文が一巡した後は上値の重さが目立つ展開となった。
 
取引開始前に発表された2月の鉱工業生産指数も、「電子部品など分野別で判断すると基調は強いとは言えない」とされ、株価押し上げには力不足であった。
市場関係者は、「期待されていたドレッシング買いも、まったく気配がない」という。
17年度末の日経平均終値は2万1454円30銭。3年連続の年度末株価上昇は、厳しい状況となりそうだ。
 
ただ、前引けにかけて中国・上海株式が上昇の勢いを強め、投資家心理を強気にした。
英製薬大手アストラゼネカとがん治療薬の開発・販売で提携すると29日朝に発表した第一三共など、医薬品株の堅調さも株価指数の上昇に寄与した。
第一三共は制限値幅の上限まで買われ、1銘柄で日経平均を25円程度押し上げている。
 
東証1部の出来高は4億9110万株、売買代金は8529億円だった。
騰落銘柄数は値上がり1153銘柄、値下がり898銘柄、変わらず88銘柄だった。
 


業種別株価指数(33業種)は、医薬品、鉱業、海運業が上昇し、下落は電気・ガス業、石油・石炭製品、鉄鋼。
 
個別では、ソフトバンクグループ(SBG)が堅調、楽天も強い動き。第一三共はストップ高カイ気配に買われ、塩野義は反発した。ファナックやリクルートも上昇した。安川電機、ダイキン工業なども高い。住石ホールディングスが急騰、ワイヤレスゲートが物色人気となった。
 
半面、キーエンスが軟調、SUBARUも安い。ファストリ、出光興産が安い。電通やサイバーも下落した。ワタベウェディングが大幅安、前田工繊も急落した。東京機械製作所が大きく利食われ、ストライクなども売られた。
 
東証2部株価指数は前日比4.94ポイント安の6755.23ポイントと3日続落した。
出来高2608万株。値上がり銘柄数は187、値下がり銘柄数は192となった。
 
個別では、KHCが昨年来安値を更新した。野崎印刷紙業、インスペック、岡山県貨物運送、マーチャント・バンカーズ、東京コスモス電機が売られた。
 
一方、価値開発、カワセコンピュータサプライが一時ストップ高なった。エスプール、光陽社など3銘柄は昨年来高値を更新した。キャピタル・アセット・プランニング、ネットマーケティング、セメダイン、平和紙業、パスが買われた。

 

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