21日午前の日経平均株価は反発し、前引けは前週末比298円12銭(0.95%)高の3万1748円88銭だった。
前週末18日のNYダウが反発し安心感が広まった。また、日経平均株価は過去3日間で800円近く下落していたことから、値頃感からの買いも流入した。中国人民銀行は最優遇貸出金利(ローンプライムレート)の1年物を引き下げたと発表した。材料出尽くし感からいったん日経平均株価はマイナス圏に転じる場面があったが、下値には買いが入り売り一巡後は再び値を上げた。
米長期金利の上昇が一服したことをきっかけに、海外投機筋などによる日経平均先物への買い戻しが優勢だった。中国が利下げを決めた直後、下げに転じる場面もあったが、その後は再び断続的な買いが入って一段高となった。
前週末18日のニューヨーク市場では米10年債利回りの上昇が一服し、ダウ工業株30種平均も小幅ながら4営業日ぶりに上昇した。日経平均は前週末までの3日続落で800円近く下落していたため、自律反発を狙った買いも入りやすかった。
中国人民銀行(中央銀行)は21日、政策金利を3.55%から0.1%引き下げて3.45%に設定した。発表直後、当面の材料出尽くし感などから売りが出て日経平均は小幅安に転じたが、その後は再び先物買いが優勢になった。
市場では「米長期金利の上昇傾向や中国の不動産市況の先行き不透明感など懸念材料は多い。きょうは短期勢の買い戻しが優勢になったようだが、上昇は長続きしないだろう」との声があった。
8月17日に発表された最新週(8月7日~10日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物株を7週連続で買い越しており、買い越し額は1799億1013万円となった。現物・先物の合計では6457億円と3週ぶりの買い越しとなり、前週は3842億円の売り越しだった。
一方、個人投資家は現物株を2395億円と2週ぶりの売り越し、年金基金の売買動向を反映するとされる信託銀行は2603億円と3週連続で売り越した。
あまり大きな変化はないものの、海外投資家の買い越しが続いていることは注目材料となろう。さて、後場の日経平均は引き続きじりじりと上げ幅を広げる展開となるか。買い手優位の状況が続くか注目しておきたい。
業種別株価指数(33業種)は電気・ガス業、鉱業、精密機器、不動産業などが上昇した。保険業、ゴム製品は下落。
個別銘柄では、レーザーテックやアドバンテスト、東京エレクトロンといった半導体関連株が高く、東電HD、エムスリーが上昇。トヨタ自動車や三菱重工業がしっかり。ファーストリテイリングが買われた。
半面、ダイキン、安川電、キーエンス、資生堂など中国関連とされる銘柄は安かった。
三菱商事が安く、川崎汽船や東京海上ホールディングスが値を下げた。
