290円高、NY上昇で買い戻し

 
31日午前の日経平均株価は大幅反発し、前日比290円63銭高の2万3268円38銭で終えた。
 
前日の米株式市場でNYダウが3日続伸。世界保健機関(WHO)が新型肺炎に関する緊急事態宣言を発表したことを機に買い戻しが流入した。
中外薬など好決算を発表した銘柄が買われたのも指数を押し上げた。
 
世界保健機関(WHO)が日本時間31日未明、新型肺炎について緊急事態を宣言したが、貿易や渡航を制限する勧告はなく一定の安心感につながった。海外ヘッジファンドなど短期筋による株価指数先物の買い戻しが断続的に入るなか、日経平均の上げ幅は一時440円を超えた。
 
中国国家統計局などが午前に発表した1月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は前月比0.2ポイント低下の50.0と市場予想並みだったが、非製造業PMIが前月比0.6ポイント上昇の54.1となったのも相場の支援材料となった。
 
ただ、ウイルスによる肺炎の患者数は増え続けており、感染が終息する見通しは立っていない。買い一巡後は戻り待ちの売りなどに押されて伸び悩む銘柄が多く、一時上げ幅が400円を超えた日経平均も、前引けにかけて上げ幅を縮めた。「月末の週末で、来週以降も決算発表が続くことから、様子見姿勢も出る」とされ、後場も上値は重くなりやすい。
 
前引けの東証1部の売買代金は概算で1兆2554億円、売買高は6億8070万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1711と、全体の8割近くを占めた。値下がりは378銘柄、変わらずは68銘柄だった。
 
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)も反発した。
 
 


 
業種別株価指数(33業種)は、精密機器、証券・商品先物取引業、不動産業、鉄鋼が上昇率上位。下落はその他製品など3業種。
 
個別銘柄では、ソフトバンクグループやソニー、東京エレクトロン、信越化が高い。決算内容が好感されたアンリツや富士通は急伸した。NEC、オリエンタルランド、アドバンテストがしっかり。新型肺炎関連株として人気化している川本産業や興研、重松製作所は買いが続いているが、売りに押される場面もあり値の荒い展開となっている。
 
半面、任天堂は今期業績見込みが市場予想に届かないとの見方から下落。太陽誘電、京セラ、NTNは軟調。東芝やディスコも値を下げた。アルプスアルパインやマンダム、SCREENホールディングスが大幅安となっている。
 
東証2部株価指数は前日比22.20ポイント高の7078.47ポイントと6日ぶり反発した。
出来高4962万株。値上がり銘柄数は296、値下がり銘柄数は118となった。
 
個別では昭和化学工業がストップ高。新内外綿、川本産業、スガイ化学工業、光陽社、ビケンテクノは一時ストップ高と値を飛ばした。富士古河E&C、金下建設、アゼアス、マナック、櫻護謨など12銘柄は昨年来高値を更新。ショクブン、田岡化学工業、インスペック、恵和、パルステック工業が買われた。
 
一方、児玉化学工業、カクヤスが昨年来安値を更新。オーミケンシ、さくらケーシーエス、キーウェアソリューションズ、ぷらっとホーム、オーベクスが売られた。

 

株ちゃんofficial xはこちら!
目次