6月30日のNYダウ工業株30種平均は続伸した。前日比285ドル18セント(0.8%)高の3万4407ドル60セントで終えた。
米商務省が早朝発表した5月の個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比3.8%上昇と、伸び率は前月(4.3%=改定値)から2カ月ぶりに縮小した。価格変動が激しいエネルギー・食品を除いたコア指数は4.6%上昇と、前月の4.7%から鈍化し、インフレ基調が和らいでいることがうかがえる。
FRB高官らはインフレ退治に向け、年内2回の追加利上げの可能性に繰り返し言及。市場でも年内2回の利上げシナリオが織り込まれつつあったが、PCEの鈍化を受け、「7月で利上げは終了」との見方に傾いた。
この日の市場では、スマートフォンのアップルは時価総額が2022年1月以来1年半ぶりに3兆ドルを超え、主要ハイテク銘柄への投資意欲の強さを示したと受け止められた。
アップルはシティグループが29日付のリポートで、投資判断「買い」で銘柄調査を開始したことも好感され、2%高で終えた。ハイテク株全般に買いが波及し、ダウ平均ではソフトウエアのマイクロソフトも上げた。
一方、29日夕に発表した2023年3~5月期決算で1株利益が市場予想に届かなかったスポーツ用品のナイキは売られた。
ダウ平均の6月の上昇幅は1499ドル(4.6%)だった。月間の上げ幅としては昨年11月以来の大きさとなった。
S&P500種株価指数は続伸した。前日比53.94ポイント(1.2%)高の4450.38と昨年4月以来の高値で終えた。6月は6.5%、23年上半期では15.9%上昇した。
ナスダック総合株価指数は反発し、前日比196.592ポイント(1.4%)高の1万3787.923で終えた。昨年4月以来の高値を更新した。ナスダック指数の6月の上昇率は6.6%、23年上半期では31.7%だった。
電気自動車のテスラや動画配信のネットフリックスなどが上昇し、エヌビディアなど半導体関連も買われた。
【シカゴ日本株先物概況】
6月30日のシカゴ日経平均先物は上昇した。9月物は前日比255円高の3万3435円で引けた。
NYダウは、米インフレ指標の鈍化を受け、連邦準備制度理事会(FRB)による利上げの長期化観測が後退したことで続伸した。
日経平均先物も買いが優勢となった。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
33435 ( +245 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
33500 ( +310 )
※( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
30日のFTSE100種総合株価指数は反発した。前日に比べ59.84ポイント(0.80%)高の7531.53で取引を終えた。米インフレへの過度な警戒感が和らいでいるほか、金融引き締めを続ける中でも米経済が底堅いとの見方が広がり、投資家心理を支えた。銀行やエネルギー、資源など景気敏感銘柄を中心に幅広いセクターに買いが広がった。
FTSE100の構成銘柄では、オンライン食品販売大手オカド・グループが5.15%高で上昇率トップ。投資会社ハーグリーブス・ランズダウンが4.08%高、エネルギー小売り大手セントリカが3.25%高、賭け屋大手エンテインが3.04%高で続いた。
一方、通信大手エアテル・アフリカは2.18%安、水道サービスのユナイテッド・ユーリティリティーズ・グループとセバーントレントはそれぞれ1.50%安、1.04%安となった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
30日のドイツ株価指数(DAX)は反発した。前日に比べ201.18ポイント(1.26%)高の1万6147.90で取引を終えた。30日発表のユーロ圏の6月の消費者物価指数の伸び率は総合が前年同月比5.5%と、2カ月連続で鈍化した。米国でも5月の米個人消費支出(PCE)物価指数の上昇率が前月から鈍化した。インフレ圧力が緩和方向にあるとの期待が投資家心理を押し上げた。指数を構成する40銘柄すべてが前日から上昇した。
■フランス・パリ株価指数
フランスCAC40種指数は1.19%高(同3.30%高)で引けた。
中国当局が経済のてこ入れに向けて追加の景気刺激策を行うとの見方が台頭。中国経済の影響を受けやすい資源株やエネルギー株などに買いが入った。
