16日午前の日経平均株価は続伸し、午前終値は前日比283円84銭(0.74%)高の3万8669円57銭だった。
きょう前場は半導体関連などを中心に日経平均寄与度の高い銘柄に買いが集まった。前日の欧州株市場で主要国の株価指数が軒並み史上最高値を更新したほか、15日発表の4月の米消費者物価指数(CPI)は前月比0.3%上昇した。市場予想(0.4%上昇)を下回り、食品とエネルギーを除くコア指数の伸びも前月から鈍化した。同日発表された4月の米小売売上高も前月から横ばいと市場予想を下回った。インフレや個人消費の鈍化がFRBの年内の利下げを後押しするとの見方から米長期金利が低下し、株式の相対的な割高感が和らいだとの見方から買いが入った。ナスダック総合株価指数に続いてNYダウも最高値を更新した。
これを受け、きょうの東京株式市場もリスク選好の地合いとなった。ただ、日経平均は朝方に500円以上水準を切り上げたものの、その後は戻り売りを浴びて伸び悩む展開に。外国為替市場で急速に円高方向に振れていることが上値を重くする背景となった。
朝高後は伸び悩む場面も目立った。日本時間16日午前の取引で米長期金利が一段と低下し、外国為替市場で円相場が1ドル=153円台に上昇した。自動車株などが輸出採算の悪化を警戒した売りに押され、日経平均の重荷となった。
内閣府が16日発表した1〜3月期の国内総生産(GDP)速報値は物価変動の影響を除いた実質の季節調整値が年率換算で2.0%減と、2四半期ぶりのマイナス成長となった。市場予想も下回ったが、株式市場への影響は限られた。
プライム市場の約65%の銘柄が下落するが日経平均は上昇する歪な地合いとなっている。前場の日経平均は25日移動平均線、75日移動平均線をともに上回った。足元の上値抵抗線を上回ったから反発基調が強まる、という展開に期待したいところだが、積極的に日本株を買う材料には乏しい。来週5月22日に予定されている半導体大手エヌビディアの決算を通過するまでは、方向感に乏しい地合いが続くと想定する。後場の日経平均は引き続き上値が重くなるだろう。
東証株価指数(TOPIX)は続落した。前引けは7.19ポイント(0.26%)安の2723.69だった。JPXプライム150指数は続伸し、6.42ポイント(0.54%)高の1203.72で前場を終えた。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆7135億円、売買高は11億9724万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は527。値下がりは1079、横ばいは43だった。
業種別株価指数(33業種)はサービス業、電気機器などが上昇。下落はパルプ・紙、輸送用機器、銀行業、鉄鋼など。
個別では、レーザーテック、ディスコ、東京エレクトロン、アドバンテスト、信越化学など半導体製造装置関連が一斉高に買われたほか、ソフトバンクグループ(SBG)、ファストリ、ダイキンも高い。任天堂が値を上げ、リクルートホールディングスが大幅高。スターティアホールディングスが急騰、三菱化工機も値を飛ばした。クレセゾン、三井住友FGも買われた
半面、売買代金トップとなった三菱UFJフィナンシャル・グループは下落、トヨタやホンダ、スズキなど自動車株も安い。三井E&Sも下値を探った。ネットプロテクションズホールディングスが急落、曙ブレーキ工業も大幅安となった。日清粉G、ヤマハ発が下落した。
