277円高と続伸、米国株高を好感

12日午前の日経平均株価は続伸し、前日比277円10銭高の2万9488円74銭で終えた。上げ幅は一時300円を超えた。
 
米長期金利の上昇に対する過度な警戒感が薄れ、11日の米株式市場で主要3指数がそろって上昇した。米株高で運用リスクを取りやすい雰囲気が広がるなか、東京株式市場でも買いが優勢だった。
バイデン米大統領の署名により米追加経済対策が成立し、景気回復期待が高まり米国株が上昇した流れを引き継ぎ、日経平均株価はじり高となった。寄り付きには先物などの特別清算指数(SQ)算出に絡んだ売買もあったが、相場の動きへの影響は限定的だった。
期末を控えて利益確定の売りも出やすく、日経平均は小幅ながら下げに転じる場面もあった。
もっとも、メジャーSQ算出を波乱なく通過したあとは、イベントを乗り切ったことへの安心感などから次第に買いが強まった。
 
欧州中央銀行(ECB)が11日の理事会で、国債など資産買い入れのペースを加速すると決めたことも、米国を中心に広がっていた金利上昇への過度な警戒感を和らげ、投資家心理を支えた。
騰落銘柄数では値下がりの方が多い時間が続いた。来週に米連邦公開市場委員会(FOMC)や日銀金融政策決定会合を控え「売りが出やすいタイミング」との声もあった。
 
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)もともに続伸した。
 
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で2兆411億円、売買高は8億7787万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は925と、全体の約4割を占めた。値下がりは1149、変わらずは120だった。

 


業種別株価指数(33業種)では電気機器、鉄鋼、金属製品の上昇が目立った。下落は保険業、不動産業、電気・ガス業など。
 
個別銘柄では、日経平均のプラス寄与度上位には東エレクやアドテスト、信越化、TDKなど半導体・電子部品関連銘柄。KDDI、三井住友、JFEが値を上げ、ソニー、キーエンスはしっかり。ソフトバンクGやエムスリー、トヨタも高かった。
 
一方、宝HLDや東急不HD、住友不に売りが目立った。中外薬、塩野義はさえない。ファーストリテ、マネックスG、東京海上、九州電が軟調。日野自、TOTO、京成も売られた。
 
 
東証2部株価指数は前日比33.49ポイント高の7432.59ポイントと4日続伸した。
値上がり銘柄数は226、値下がり銘柄数は143となった。
 
個別では、フォーシーズホールディングスが一時ストップ高と値を飛ばした。日和産業、ミズホメディー、ベルテクスコーポレーション、ヒラノテクシード、ASTIなど7銘柄は昨年来高値を更新。築地魚市場、オーケーエム、大盛工業、黒田精工、新内外綿が買われた。
 
一方、サンテック、高松機械工業、倉庫精練、サトウ食品、日本和装ホールディングスが売られた。
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