265円高続伸、米株に連れ高もコロナ懸念で伸び悩む

5日午前の日経平均株価は続伸し、前日比265円41銭高の2万3350円00銭で前場を終えた。
朝方から全面高で取引がスタートした。寄り付きから15分程度で買いが一巡した後、戻り待ちの売りが上値を圧迫した。日経平均株価は午前9時14分に付けた2万3406円26銭(前日比321円67銭高)を前場高値に伸び悩んだ。
 
中国政府の景気対策への期待を背景に前日の米株式相場が大幅高となり、先物に買いが先行した。外国為替市場で円相場が1ドル=109円台前半まで下げ、東京市場でも電子部品株など景気動向に敏感な業種を中心に買い戻しや押し目買いが入った。
 
主要企業の2019年4~12月期決算発表が続くなかで、「業績が底堅いと評価された銘柄には長期視点で運用する海外投資家の買いが入った」という。5日の中国・上海総合指数が上昇し、投資家の安心感につながった面もあった。
 
しかし、上値では売り物が厚く、市場関係者からは「買いを入れたのは短期投資家に限られ、リスク回避姿勢が後退したとは言いきれない」との指摘があった。
 
新型コロナウイルスによる肺炎拡大への懸念から上値は重かった。20年3月期通期の業績予想を上方修正したソニーは「新型肺炎の拡大でサプライチェーン(供給網)に悪影響が及び、業績を圧迫する可能性がある」との受け止めから、朝高後に下げに転じる場面があった。
 
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)は上昇した。
 
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆1584億円、売買高は6億4233万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1701、値下がりは377、変わらずは78だった。
 


業種別株価指数(全33業種)では、繊維製品、非鉄金属、保険業の上昇が目立った。下落はその他金融業の1業種だった。
 
個別では、ソフトバンクグループやファナック、第一生命HD、ファミマが上げた。任天堂が堅調、東京エレクトロン、信越化、キーエンスも値を上げた。ロームが買われ、富士通も物色人気が続いている。日本曹達が値上がり率トップに買われ、日本ユニシス、タマホームも人気。
 
半面、NTTデータが大きく売られ、レーザーテックも軟調。花王やユニチャーム、村田製、関西電も下げた。システナが急落、エディオンも大幅安で日本エアーテックも安い。
 
東証2部株価指数は前日比51.64ポイント高の7129.27ポイントと続伸した。
出来高5993万株。値上がり銘柄数は279、値下がり銘柄数は133となった。
 
個別では、アゼアスが一時ストップ高と値を飛ばした。ファーマフーズ、JFEシステムズ、櫻護謨、北越メタル、ジャパンエンジンコーポレーションなど11銘柄は昨年来高値を更新。マナック、価値開発、アルプス物流、ビート・ホールディングス・リミテッド、千代田化工建設が買われた。
 
一方、川本産業、昭和化学工業が一時ストップ安と急落した。スガイ化学工業、新内外綿、リスクモンスター、ビケンテクノ、NCS&Aが売られた。
 

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