8日午前の日経平均株価は続伸し、前日比264円97銭(0.95%)高の2万8208円92銭で終えた。
きょう前場は、主力株をはじめ幅広く買い優勢の展開となり、日経平均株価は2万8000円台を回復した。前日の米国株市場ではNYダウやナスダック総合株価指数が朝安後に切り返したほか、外国為替市場でおよそ20年2カ月ぶりに一時1ドル=133円台に入る急速な円安が進んでいることで、これを手掛かり材料にリスクを取る動きが優勢となっている。日経平均は前日まで3日続伸しており、目先利食い圧力も観測されるが、買い意欲は旺盛で寄り後も日経平均は次第に下値を切り上げる展開となっている。
市場では「日米金融政策の方向性の違いで円安・ドル高傾向は当面続きそうだ。円安傾向は製造業を中心に総じて日本株のサポートになるだろう」との見方があった。
日経平均は前日までの3営業日で500円超上昇しており、7日は3月30日以来およそ2カ月ぶりの高値水準で終えた。短期的な利益確定売りが出やすかったが、午前の取引で200日移動平均(7日時点で2万7939円)を1度も割り込まなかったことで、投資家心理が上向いているようだ。
東証株価指数(TOPIX)は続伸した。午前終値は前日比20.89ポイント(1.07%)高の1967.92だった。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆5014億円、売買高は6億6821万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1469と、全体の約8割を占めた。値下がりは309、変わらずは59銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)は鉱業、不動産業、卸売業、機械などが上昇した。海運業、銀行業などは下落。
個別では、ナスダックの上昇やアリババ株の急伸を追い風にソフトバンクG(SBG)が大幅高となり、三菱商や三井物がともに上場来高値を更新。レーザーテック、日本電産が買われた。米大手金融機関による原油相場見通しの上方修正などを背景にINPEX、石油資源開発が急伸した。川崎重、IHI、三菱重の防衛関連が上伸。目標株価引き上げを受けて日揮HDも急伸。ほか、エムスリー、SHIFT、三井不動産、神戸物産などが大幅に上昇。レーティング格上げが観測されたマクセルも大幅高。業績予想を上方修正したクミアイ化、第3四半期の好決算が好感されたシルバーライフなどがランクイン。富士フイルム、第一三共が買われた。
一方、郵船、商船三井など海運株が軟調。米長期金利の低下により三菱UFJ、三井住友などメガバンク株も冴えない。チタンの国内価格交渉の行方が大筋決まったとの報道で急伸劇が続いていた大阪チタ、東邦チタニウムは利益確定売りで下落。JR東海、KDDI、OLCなどディフェンシブ系も軟調。気掛かりなところでは、アドバンテストなど半導体関連が前日の大幅安に続き、総じて相対的に弱い動きが目立つ。第一生命HDや大日印が売られた。
