1日午前の日経平均株価は反落し、午前終値は前日比262円42銭(0.72%)安の3万6024円29銭だった。
きょう前場は朝方から一貫して利益確定売りに押される展開となった。前日の米国株市場ではFOMC後のパウエルFRB議長の記者会見がタカ派的な内容であったことから、早期利下げ期待が剥落しNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに下落した。ハイテク株の下げが目立ったことで、東京株式市場でもこの流れを引き継ぐ形となっている。外国為替市場で足もと円高方向に振れていることも嫌気されている。日経平均の下げ幅は一時340円を超えた。ただ売り一巡後は下げ渋り、日経平均は前引け時点では3万6000円台をキープしている。
前日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前日比317ドル(0.82%)安の3万8150ドルで終えた。パウエルFRB議長はFOMC後の記者会見で、3月会合での利下げについて「基本ケースと呼ぶものではない」と述べた。ネット検索のアルファベットや半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が売られ、ナスダック総合株価指数は2.23%下げた。
東京株式市場では東エレクやレーザーテク、京セラなどハイテク株が軟調だった。あおぞら銀や住友ファーマ、エムスリーなど低調な決算を発表した銘柄にも売りが集中して相場の重荷となった。
半面、節目の3万6000円を下回る場面では底堅さをみせた。好決算を発表した個別銘柄が買われたほか、JTやNTT、ソフトバンクといった個人投資家に人気の配当利回りが高い銘柄の一角に買いが入って下値を支えた。
後場の東京株式市場は引き続き決算銘柄に関心が向かい、日経平均は36000円を挟んだ小動きが継続となりそうだ。取引時間中には、13時台にHOYA、しずおかFG、日本ハム、タカラスタン、14時台に東海理化、大豊工業、中央発条などが予定されている。特にスタンダード市場の大豊工業や中央発条は時価総額や流動性の観点からも乱高下する可能性があるので注目したい。
東証株価指数(TOPIX)は反落した。前引けは16.09ポイント(0.63%)安の2535.01だった。JPXプライム150指数は反落し、4.72ポイント(0.41%)安の1136.88で前場を終えた。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆5727億円、売買高は9億7467万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1111。値上がりは501、横ばいは45だった。
業種別株価指数(33業種)では銀行業、不動産業、輸送用機器の下落が目立った。上昇は空運業、陸運業、証券・商品先物取引業など。
個別では、レーザーテックが大きく売られたほか、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループなどメガバンクも軟調。ファーストリテイリングが売り優勢、ファナック、トヨタ自動車も冴えない。あおぞら銀行はストップ安ウリ気配。エンプラス、住友ファーマなども急落した。
半面、アドバンテストが堅調、SCREENホールディングスも人気。JR東日本、TDK、第一三共、野村が上昇した。このほかテクマトリックスが急騰、きんでんも値を飛ばしている。
