257円安と反落、半導体関連に売り

 
21日午前の日経平均株価は反落し、午前終値は前日比257円57銭(0.68%)安の3万7805円35銭だった。
 
朝方からリスク回避の売りが優勢となり、日経平均株価は一時450円あまりの下げで3万7600円台まで売り込まれる場面があった。その後は押し目買いに下げ渋る展開となったものの、戻し切れずマイナス圏での往来となっている。前日の米国株市場で主要株価指数が揃って反落したほか、外国為替市場で1ドル=145円台前半の推移と前日より円高方向に傾いていることで、半導体関連などハイテク株中心に買いが手控えられた。個別株をみても値下がり銘柄数が全体の76%を占めるなど売り圧力が強い。売買代金は前引け時点で1兆7000億円台と低水準。
 
日経平均は9時半頃に下げ幅を450円程度まで広げた。前日の米株式市場では利益確定売りが優勢となるなかで、主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が1.3%下げた。東京株式市場でも東エレクはじめ半導体関連に売りが出て相場を押し下げた。
 
市場では9月に米連邦準備理事会(FRB)が利下げに踏み切るとの観測が強まっている。日米金利差の縮小観測から朝方の東京外国為替市場で円相場が一時1ドル=144円台に上昇したのも自動車株などの売りを促した。
 
円相場が1ドル=145円台に押し戻されると、株価指数先物への買いを通じて日経平均も下げ幅を縮小する場面があった。もっとも、このところ戻り歩調にあったレーザーテクやアドテストは軟調な推移が続き、相場の重荷になった。
 
ドル・インデックスは101.1台と今年1月の水準までドルは下落しており、ドルの弱さが目立つ。為替は朝方一時1ドル144円台に突入したが、いったん円買いドル売りは一服している。後場も為替を睨んだ神経質な展開となりそうだ。今晩の米労働統計局による基準改定値(速報値)公表に対する警戒感は強まっていることから、もう一段の円買いドル売りが入る余地はあろう。19日(月)のような後場崩れる相場展開を警戒したい。
 


東証株価指数(TOPIX)は反落した。前引けは前日比15.25ポイント(0.57%)安の2655.29だった。JPXプライム150指数も反落して前場を終えた。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆7547億円、売買高は6億9537万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1259と全体の76%を占めた。値上がりは349、横ばいは38だった。
 
 
業種別株価指数(33業種)は、保険業、石油・石炭製品、鉱業、輸送用機器などが下落。上昇は空運業、精密機器など。
 
TDK、ダイキン、信越化、ディスコが下落した。一方、テルモ、セコム、ニトリHD、富士フイルムが上昇した。
 
個別では、国内証券会社のネガティブなレポートを材料に太平洋セメントが下落したほか、米10年債利回りが8月5日以来の3.8%割れとなったことで、日本の金利も低下し、第一生命HD、東京海上HDがさえない。三井住友フィナンシャルグループなどメガバンクも軟調。レーザーテック、ディスコなどが大きく値を下げたほか、ファーストリテイリングも値を下げた。ダイキン工業も売り優勢。コロワイドが急落、ニーズウェルも売られた。このほか、資生堂、古河電工、IHI、住友化学、アドバンテストが売られた。
 
半面、カナダ同業大手アリマンタシォンからの買収提案で株価が動いているセブン&アイHDが本日は上昇。国内証券会社のポジティブなレポートを材料にニチレイも買われたほか、円高メリット銘柄のニトリホールディングスが上昇。キーエンス、キヤノンも高い。リクルートホールディングスも買いが優勢。宮越ホールディングスが値を飛ばし、キャリアデザインセンターも大幅高。このほか、テルモ、アステラス製薬、富士フイルムHDが買われた。

 

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