29日午前の日経平均株価は続落し、前日比256円82銭安の2万8791円20銭で終えた。
きょう前場はリスク回避の売りが優勢で、日経平均は2万9000円台を再び割り込んだ。
新型コロナウイルス変異型(デルタ株)の感染拡大に対する警戒感がくすぶるなか、月末安アノマリーも意識され買い手控えムードが強い。景気敏感株中心に売りが表面化している。前日の米国株市場ではナスダック総合指数が買われ最高値を更新し、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も最高値に買われたこともあって、半導体関連株の一角が買われ、全体相場を支えた。
今週末には6月の米雇用統計の発表を控え、米金融政策の先行きを見極めたいとの雰囲気も強かった。積極的な売買が見送られるなか、先物の動きに先導される展開だった。下げ幅は一時300円を超えたが、その後やや値を戻すなど落ち着きを欠く動きだった。きょうは6月期末の配当権利落ち日にあたり、日経平均を28円程度下押しした。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)はいずれも反落した。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆516億円、売買高は4億7245万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は全体のおよそ8割にあたる1728、値上がりは387、変わらずは67銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)は鉱業、ゴム製品、ガラス・土石製品などが下落。上昇は精密機器など。
個別ではファーストリテイリングが下落、ソフトバンクグループも軟調だった。トヨタ自動車が売りに押され、三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクも値を下げた。ヒマラヤが急落、日本カーボンは大幅安、中外薬、京セラ、アステラスが下落した。
半面、売買代金トップのレーザーテックが堅調、キーエンスも買いが優勢。NEC、富士通も逆行高となった。前日に2021年3~5月期連結決算を発表したしまむらは大幅高だった。ジェイテックコーポレーション、昭文社ホールディングスも高い。
東証2部株価指数は前日比38.98ポイント安の7691.03ポイントと6日ぶり反落した。
出来高は1億4879万株。値上がり銘柄数は129、値下がり銘柄数は238となった。
個別では、築地魚市場が一時ストップ安と急落した。FDK、グリーンランドリゾートは年初来安値を更新。大黒屋ホールディングス、自重堂、セントラル総合開発、工藤建設、東京ソワールが売られた。
一方、コメ兵ホールディングス、ビューティ花壇、カワサキ、ベルテクスコーポレーション、サンユウなど16銘柄が年初来高値を更新。グローバルダイニング、バイク王&カンパニー、TONE、フジオーゼックス、ヨネックスが買われた。
