15日午前の日経平均株価は反発し、前日比255円70銭(0.80%)高の3万2315円61銭で前場を終えた。
前日の米国株市場がハイテク株中心に買い戻される地合いだったことを受け、リスク選好の流れとなった。日経平均は前日に先物主導で400円あまりの大幅下落をみせたことで、目先リバウンド狙いの買いを誘発しやすかった面もある。ハイテク値がさ株へのショートカバーが全体指数を押し上げたが、特に半導体関連株への買いが顕著となった。
14日の米株式市場で主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が2.9%高となった。東京株式市場では東エレクやアドテストが買われ、日経平均を押し上げた。15日の東京外国為替市場で円相場が1ドル=145円台半ばと2022年11月以来の安値圏に下落したのを受け、機械など輸出関連銘柄の一角に買いが入った。
ただ、3万2000円台半ばでは戻り待ちの売りが上値を押さえ、前場中盤以降は伸び悩む展開を強いられた。
日経平均がチャート上で25日移動平均(3万2500円、14日時点)に近づくと、幅広い銘柄に戻り待ちの売りが出た。前日の米長期金利の上昇がグロース(成長)株の重荷になったとの見方もあった。
日本時間11時発表の中国の7月の経済指標は、小売売上高が前年同月比2.5%増と増加率が6月から縮小した。市場では「中国景気への懸念が高まっており、運用リスクを取りにくい局面にある」との声が聞かれた。
国内企業の4-6月期決算発表は昨日で一巡した。8月は海外の投資家の夏休み入り、国内投資家の休日も重なり売買が細りやすい傾向があるほか、株式市場が下落しやすい季節性も存在する。ひとまず、決算発表を受けて個別銘柄への注目が続きそうで、決算を受けて上下に大きく動いた銘柄、好決算でありながらも動意の乏しかった銘柄についてはピックアップしておきたいところだろう。インバウンド関連も目が離せない。さて、後場の日経平均はプラス圏でのもみ合い展開継続なるか。決算発表を終えた銘柄の値動きに注目しておきたい。
東証株価指数(TOPIX)は反発した。JPXプライム150指数も反発した。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆6042億円、売買高は6億5532万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1063。値下がりは698銘柄、横ばいは72銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)では、鉱業、鉄鋼、海運業の上昇が目立った。下落はパルプ・紙、水産・農林業、ガラス・土石製品など。
個別では、断トツの売買代金をこなしたレーザーテックが買い優勢となったほか、アドバンテスト、東京エレクトロン、ソシオネクストなど売買代金上位の半導体主力株が軒並み高い。ゼンショーホールディングスも商いを伴い大幅高。ファストリ、TDK、三菱商事、東京電力ホールディングス、テルモとKDDIなども買われた。エムアップホールディングス、ビーロットなどが急騰した。
半面、エムスリー、ダイキン工業が冴えず、メルカリが売られた。ダブル・スコープの下げも目立つ。マーケットエンタープライズが急落、エスクリ、電通グループとシチズンも大幅安だった。
