1日午前の日経平均株価は続伸し、前日比246円31銭(0.74%)高の3万3418円53銭で前場を終えた。
前日の米株市場でNYダウ工業株30種平均、ナスダック総合株価指数など主要株価指数が続伸したことが好感されたほか、外国為替市場でドル買いが進み1ドル=142円台後半まで円安が進んだことも輸出セクター中心に追い風となった。日経平均は前日に400円超の上昇を示したこともあり、3万3000円台半ばでは戻り売りで上値を押さえられる場面もあったが、前引けにかけてやや買いの勢いが強まり前場の高値圏で引けている。売買代金は前場段階で2兆円を上回るなどきょうも高水準に膨らんでいる。
運用リスクを取る動きが強まり、東エレクやファストリなど値がさ株に買いが入った。1日の東京外国為替市場での円の対ドル相場は1ドル=142円台後半まで下落した。業種別では自動車株や機械株の上げが目立った。
朝方は買い一巡後に伸び悩む場面もあった。前日の日経平均は400円超上昇。年初来高値(3万3753円)が視野に入り、高値圏では過熱感を警戒した売りが出た。日銀の長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の柔軟化を受けた債券利回りの上昇も一服しており、貸し出し利ざや縮小の見方から銀行株は下げた。
日本銀行の金融政策決定会合でのサプライズ政策修正を経た後も、日本株への押し目買い意欲の強さが保たれている点は好印象ではあるが、日経平均も東証株価指数(TOPIX)に続いてバブル崩壊後の高値を更新するには追加の材料が必要と思われる。
こうした中、注目されるのはまず本日午後に予定されているトヨタ自動車の決算と、米国で本日予定されているアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)の決算だ。トヨタ自動車の決算は半導体不足の解消による生産改善と為替の円安効果により好決算が期待されている。自動車産業の裾野は広く、日本株全体の業績動向を占う上でも重要な指標となる。一方、株価は前日に年初来高値を更新しており、好業績は既に大方織り込まれているとも思われる。出尽くし感から大きく下落するのか、すぐに下げ渋ってプラス圏を維持するのか株価反応に注目だ。
東証株価指数(TOPIX)が14.49ポイント高の2337.05と続伸した。JPXプライム150指数も続伸し、前引け時点で6.70ポイント(0.64%)高の1053.33だった。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆1918億円、売買高は8億6713万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1028と全体の56%を占めた。値下がりは743銘柄、変わらずは64銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)では、電気・ガス業、海運業、鉱業などの上昇が目立った。下落は銀行業のみ。
個別では売買代金トップに躍り出たソシオネクストが大幅高に買われたほか、売買代金で久しぶりにトップの座を譲ったレーザーテックも堅調。トヨタ自動車がしっかり、川崎汽船など海運株も買われた。前日に決算を発表した村田製作所が高く、三菱商事も上昇した。エンプラス、テクノスジャパンはストップ高人気となった。豊田通商、TDK、中外薬も買われた。
半面、キーエンスや三菱電が安く、三井住友フィナンシャルグループも下落した。ファナックや京セラも冴えない。クイック、アイ・エス・ビーが急落、メンバーズも大幅安。住友ファーマの下げも目立っている。
