20日午前の日経平均株価は反落した。午前終値は前日比246円66銭(0.64%)安の3万8324円10銭だった。
きょう前場はリスク回避の地合いとなり、日経平均株価は反落し3万8000円台前半まで水準を切り下げた。前日の米国株市場がジューンティーンス(奴隷解放記念日)の祝日で休場だったことから手掛かり材料不足が意識されたが、欧州株市場でフランスやドイツなど主要国の株価指数が総じて安く、投資家心理を冷やす格好となった。この流れを引き継ぎ、東京市場ではファストリやソフトバンクグループ(SBG)など値がさ株のほか、時価総額が大きいトヨタ自動車などが売られた。外国為替市場でドル高・円安方向に振れているものの、これを好感する動きはまばらとなっている。相変わらず半導体主力どころの上値が重く、全体指数に押し下げ効果をもたらしている。ただ、日経平均は一時300円あまりの下げで3万8200円台まで売られた後は下げ渋っている。
投資家の関心は、金融政策の修正観測が広がる7月の日銀金融政策決定会合に向かっている。市場では「足元では上昇が一服しているが長期金利の先高観はなお強い。7月会合に向けて日本株には買いを入れづらい環境が続きそう」との声があった。
為替が1ドル158円10銭台で推移しており、前日比ではやや円安ドル高に振れている。一方、輸出関連銘柄の動きは悪い。とりわけトヨタ自の動きの悪さがやや目立つ。認識不正問題による生産停止が長期化する可能性が売り圧力につながっているとの見方。心理的な節目である3000円を割り込むと調整局面が長くなる可能性はあろう。少額投資非課税制度(NISA)を通じて保有している個人投資家が多い銘柄であることから、これ以上の個人投資家のモメンタム悪化は避けたいところだ。ポジティブなニュースが見当たらないなか、後場の東京市場も前場同様、商い閑散のなか主力株が下値を探る展開となるだろう。
東証株価指数(TOPIX)は反落した。前引けは19.08ポイント(0.70%)安の2709.56だった。JPXプライム150指数も反落し、6.98ポイント(0.58%)安の1196.22で前場を終えた。前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆5030億円、売買高は6億2542万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1093。値上がりは494、横ばいは59だった。
業種別では、証券・商品先物取引業、不動産業、その他製品、非鉄金属、電気・ガス業などが下落した一方、鉱業、空運業、医薬品、繊維製品の4セクターのみ上昇した。
個別では売買代金トップとなったレーザーテックが売りに押されたほか、東京エレクトロンも冴えない。認証不正問題による業績の先行き不透明感からトヨタのほかホンダなどの自動車関連株が売られた。三井物や三菱商などの商社株も下げた。三菱重工業は商いを膨らませ強弱観対立のなかもやや利食いに押される展開。三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクが売られ、任天堂も軟調。さくらインターネットが大幅安、前日ストップ安に売り込まれたFPパートナーも下値を探る展開になった。
半面、売買代金2位のディスコがしっかり、イビデンが上値を伸ばした。第一三共や塩野義などの医薬品株が上昇した。サンケン電気が急騰、ニッコンホールディングスも商いを伴い大幅高。住友理工も物色人気に。セブン&アイやニトリHDも上昇した。
