245円安と反落、1カ月ぶり3万2000円割れ

 
12日午前の日経平均株価は反落し、前日比245円71銭(0.76%)安の3万1957円86銭で前場を終えた。日経平均が心理的節目の3万2000円を取引時間中に割り込むのは6月9日以来1カ月ぶり。東京外国為替市場で円相場が1ドル=139円台前半と1カ月ぶりの円高・ドル安水準をつけ、輸出関連株への売りを促した。
 
朝方は買い優勢で日経平均は上昇して始まったが、その後は先物を絡め急速に値を消す展開となり、マイナス圏で下値を切り下げる展開を強いられた。日経平均の下げ幅は一時400円を超える場面があった。外国為替市場で急速にドル安・円高に振れていることで、これを嫌気する売りがかさんだ。今月行われる日銀金融政策決定会合で大規模金融緩和策の見直しが行われるのではないかとの見方が、全体相場の売りを助長した。海外投機筋が株価指数先物を売る動きが活発化したとの見方があった。
ただ、取引後半は徐々に戻り足となり日経平均の下げ幅は240円あまりにとどまっている。
 
防衛省が12日午前、北朝鮮が午前9時59分ごろに北朝鮮内陸部から少なくとも1発の弾道ミサイルを東方向に発射したと発表したことも投資家心理の重荷となった。
 
後場は、前引けにかけて下げ渋った日経平均が3万2000円を回復できるかに注目だ。ただ、今晩の米CPIを無難に消化したとしても、13日には米6月卸売物価指数(PPI)、週末には米銀行大手の決算が控える。また何より、今月の米連邦公開市場委員会(FOMC)および日銀金融政策決定会合の結果を確認しない限りは動きにくい。
さらに、期待先行で株価が上昇してきた企業にとっては、その先に控える4-6月期決算のハードルも安川電機の反応から分かるように低くはない。景気と為替の先行き不透明感が強いなか、当面はこれらの要素と相関性の低い内需系の中小型グロース(成長)株などに妙味があると考える。
 
東証株価指数(TOPIX)は12.85ポイント安の2223.55と続落した。JPXプライム150指数は前引け時点で8.81ポイント(0.86%)安の1011.12だった。

 


 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆6833億円、売買高は6億3091万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1091と、全体の6割を占めた。値上がりは655、変わらずは88銘柄だった。
 
業種別株価指数(33業種)では保険業、医薬品、電気機器の下落が目立った。上昇は鉱業、水産・農林業、海運業など。
 
個別では、東エレクやアドテスト、信越化など値がさの半導体関連株が売られた。エーザイと第一三共が安く、ファナックや安川電、ソニーGも下落した。
三井物産、三菱商事、丸紅の商社、第一生命HD、T&DHD、東京海上など保険株の下落が目立つ。ハニーズHD、ライトオン、イオンFS、イオンモールは決算を受けて急落した。コシダカHDは好決算も出尽くし感から売られている。
 
一方、株式の売出価格が決まったソシオネクストは買い優勢。日本銀行の政策修正への思惑が強まるなか、三菱UFJ、三井住友、みずほ、りそなHDの銀行が堅調。ファストリが高い。セブン&アイやニチレイが買われた。川崎汽や日揮HDも上昇した。決算発表後に買いが続いている良品計画のほかニトリHDなど小売りの一角が高い、また、中国の景気対策への期待や原油高を受けてINPEXのほか、日本製鉄、JFE、神戸製鋼所の鉄鋼が堅調となっている。

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