245ドル安と続落 パウエルFRB議長の議会証言を控え様子見

20日のNYダウ工業株30種平均は続落し、前週末比245ドル25セント(0.7%)安の3万4053ドル87セントで終えた。週内に米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が上下両院で議会証言に臨むのを控え、金融引き締めの長期化に対する警戒感が意識された。

中国の景気回復が遅れる中、中国人民銀行(中央銀行)は10カ月ぶりに利下げに踏み切った。
中国景気の先行き不安を背景に関連銘柄への売りが目立ち、ダウ平均の下げ幅は一時380ドルに達した。
市場は利下げが小幅で経済の下支えには不十分と判断。さらに、「具体的な景気刺激策の発表がなかった」ことが相場の足かせとなった。

パウエルFRB議長は21日に下院で、22日に上院で証言する。政策金利を据え置いた前週の米連邦公開市場委員会(FOMC)後では初めて公の場で発言する機会となる。同FOMCでは政策金利見通しが年内2回の利上げを見込む水準に引き上げられた。パウエル議長が金融引き締めに積極的なタカ派的な姿勢を示すとの懸念があり、売りが優勢となった。

ダウ平均の構成銘柄では、前週末にかけて上昇した半導体のインテルが下げた。スポーツ用品のナイキや航空機のボーイング、工業製品・事務用品のスリーエムといった消費関連・景気敏感株への売りも目立った。半面、医療保険のユナイテッドヘルス・グループや製薬のメルクなどディフェンシブ株の一角は買われた。

ナスダック総合株価指数は続落した。前週末比22.277ポイント(0.2%)安の1万3667.294で終えた。ネット検索のアルファベットが下げた。半面、電気自動車のテスラが大幅に上昇し、相場を支えた。

 


【シカゴ日本株先物概況】

20日のシカゴ日経平均先物は下落した。9月物は3連休前の前週末に比べ570円安の3万3105円で終えた。
中国経済の減速懸念や米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が21~22日に開かれる議会証言で利上げに前向きな姿勢を示すとの観測から20日の米株式相場が下落した。日経平均先物にも売りが広がった。

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7569.31(-19.17)

20日のFTSE100種総合株価指数は続落した。前日に比べ19.17ポイント(0.25%)安の7569.31で取引を終えた。中国の経済回復への懸念が根強いなか、商品相場が下落しており、エネルギーや資源など商品関連銘柄に売りが出た。21日の5月の英消費者物価指数(CPI)発表を前に、高インフレと金融引き締め継続による英景気の減速も警戒されやすかった。

個別では、鉱業大手アングロ・アメリカンが4.01%安と下落率トップ。金融大手ナットウエストが2.93%安、保険大手プルデンシャルが2.52%安と続いた。一方、保険大手ビーズリーは2.70%の上昇。航空機エンジン製造大手ロールス・ロイスは2.08%高、小売り大手B&Mヨーロピアン・バリュー・リテールは1.76%高だった。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 16111.32(-89.88)

20日のドイツ株価指数(DAX)は続落した。前日に比べ89.88ポイント(0.55%)安の1万6111.32で取引を終えた。20日のアジア株安や同日の米株式相場の軟調な推移が投資家心理を冷やした。欧州中央銀行(ECB)の金融引き締めによるユーロ圏の景気懸念も根強く、自動車や小売り、テクノロジーなど幅広いセクターに売りが出た。

個別では、自動車部品大手コンチネンタルが3.24%安と軟調。化学のBASEは3.
20%安、医療機器のシーメンス・ヘルシニアーズは2.44%安と、それぞれ売られた。他方、素材化学大手コベストロが12.90%高と急騰した。

■フランス・パリ株価指数
CAC40 7294.17(-19.88)

フランスCAC40種指数は0.27%安だった。
中国の利下げが市場予想より小幅だったことを受けて商品価格が下落した。

 

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