29日前引けの日経平均株価は3日ぶり反落した。前日比239円42銭安の2万1020円72銭で取引を終了した。
東証株価指数(TOPIX)は、13.47ポイント安の1537.52だった。
前日の米株式相場は、米中貿易摩擦の長期化に対する懸念から大幅に下落した。
この流れを受けて、東京株式市場もリスク選好ムードが後退した。
28日に米長期金利が1年8カ月ぶりの低水準をを受けて時価総額が大きい金融株に運用環境の悪化を警戒した売りが優勢になり、相場を押し下げた。
為替市場でも、1ドル=109円台前半まで円高に進んだことも輸出関連株の売り材料となった。
また、株安を見越した海外のヘッジファンドなどが株価指数先物に売りをだしたことで、取引時間中としては14日以来およそ2週間ぶりに2万0800円台に沈む場面があった。
ただ、売り一巡後は株価指数先物を売っていた海外短期筋などから買い戻しが入り、2万1000円台まで値を戻して前場を折り返した。
市場からは「米中貿易摩擦の長期化で海外勢が売っているようだ。ある程度は織り込んだとみられるが、出来高が減ってやりにくい。日経平均はザラバで2万1000円を割り込んでも引け値で維持できるかがポイントになる」の声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は下落した。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆1001億円、売買高は7億2143万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1446銘柄、値上がり595銘柄、変わらず95銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)は、パルプ・紙、精密機器、その他金融業の下落が目立ち、上昇は石油・石炭製品、ゴム製品、繊維製品。
個別では、ソニー、トヨタ自動車が軟調。ファーストリテイリング、スクリンが値を下げ、第一生命HDT&D、三菱UFJフィナンシャル・グループも売られた。関西電や京セラ、日東電、安川電、東京エレクトロンも安い。ライトオンが急落、アイスタイル、サイバーエージェントも大幅下落した。
半面、キーエンス、スクウェア・エニックス・ホールディングスが上昇した。サクサホールディングス、アルコニックス、コアなども買われた。キトー、三菱自、出光興産、JXTG、千代建、日揮、ヤフーが値を上げた。
東証2部株価指数は3日ぶり反落した。前日比25.62ポイント安の6619.86ポイントだった。
出来高2887万株。値上がり銘柄数は124、値下がり銘柄数は258となった。
個別ではボーソー油脂、アイケイ、サイバーステップ、マイスターエンジニアリング、トーソーなど9銘柄が年初来安値を更新した。コーアツ工業、アマテイ、日本パワーファスニング、アートスパークホールディングス、東亜石油が売られた。
一方、ダイヤモンドエレクトリックホールディングスが一時ストップ高となった。工藤建設、西菱電機、ベルテクスコーポレーション、きんえいは年初来高値を更新した。DNAチップ研究所、価値開発、ウェルス・マネジメント、アオイ電子、リスクモンスターが買われた。
