29日の日経平均株価は3営業日ぶりに反落し、前日比235円86銭安の2万2245円23銭で午前の取引を終えた。
取引時間中としては4月25日以来約1カ月ぶりの水準まで下落して前引けを迎えた。
イタリアの政治不安を背景とした円高・ユーロ安や南欧国債の利回り上昇が株式の売り材料となった。素材や海運など世界景気の動向に敏感な銘柄の値下がりが目立ったほか、株価指数先物に時折、大口の売り注文が出て、市場心理を冷え込ませた。
円の対ユーロ相場は一時1ユーロ=126円台半ばと約11カ月ぶりの円高・ユーロ安水準を付けた。欧州の売上高比率が高いDMG森精機やミネベア、リコーなど欧州関連銘柄に売りが膨らみ、相場全体の重荷になった。
総務省が8時30分に発表した4月の完全失業率は前月比横ばいの2.5%だった。QUICKがまとめた市場予想の中央値と一致したため、現時点では材料視されていない。
市場参加者不足から売買代金も1兆円を下回るなど低調だった。
前引けの東証1部の売買代金は概算で9524億円、売買高は6億9087万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1675と、全体の約81%を占めた。値上がりは322、変わらずは68銘柄だった。
個別では、米アップルによる有機ELの全面採用が伝わり、Jディスプレが大幅に下落した。19年3月期の最終赤字見通しを発表した日本紙は年初来安値を更新した。ソフトバンクグループ、東京エレクトロンなどが売られ、ファーストリテイリングが下落、トヨタ自動車、信越化学工業なども安い。住友鉱や古河電も安い。
一方、任天堂も堅調。東海カやNECは高い。花王や資生堂、大塚HDといったディフェンシブ銘柄も上昇した。沢藤電機が一時ストップ高に買われ、保土谷化学工業、平田機工なども値を飛ばした。
東証2部株価指数は前日比55.61ポイント安の7240.24ポイントと4日続落。
出来高5409万株。値上がり銘柄数は110、値下がり銘柄数は303となった。
個別では富士ピー・エス、森組、バイク王&カンパニー、アクロディア、第一稀元素化学工業など31銘柄が年初来安値を更新。大興電子通信、平和紙業、日本和装ホールディングス、アライドテレシスホールディングス、アイスタディが売られた。
一方、富士古河E&C、北海道コカ・コーラボトリング、ケー・エフ・シー、ジャパンミート、SECカーボンなど7銘柄が年初来高値を更新。ビート・ホールディングス・リミテッド、ファステップス、イワキ、ぷらっとホーム、ネポンが買われた。
