〔米株式〕ダウ大幅反落、821ドル安=関税とAI脅威で
23日のNYダウ工業株30種平均は大幅反落し、終値は前週末比821ドル91セント安の4万8804ドル06セントだった。
トランプ大統領は20日、米連邦最高裁が相互関税などを違憲と判断したことを受け、代替策として通商法122条を根拠に世界一律10%の関税を課す布告に署名。ただ、21日には税率を15%に引き上げると表明し、市場で不確実性が嫌気されて金融やハイテク株を中心に売りが広がった。
下げ幅は一時894ドルとなった。
トランプ氏は23日、自身のSNSで貿易の許認可(ライセンス)などを活用できるとも記した。
欧州連合(EU)の立法機関である欧州議会は23日、EUが昨年米国と合意した貿易協議の承認に向けた手続きを再停止すると発表した。トランプ米政権の通商政策を巡る不確実性が高まっているとして投資家心理の重荷になった。
AIが既存企業の業務を代替するとの見方も株売りを促した。AI開発新興のアンソロピックが23日、ソースコード生成ツール「クロードコード」を活用すれば旧式のプログラミング言語を使ったシステムの見直しが容易になるとブログで明らかにした。米株式市場ではIBMが13%安と大幅に下落した。
ダウ平均の構成銘柄ではないが、サイバーセキュリティーのクラウドストライク・ホールディングスも大幅安となった。「クロード」にソフトウエアの脆弱性を検知する機能を搭載するとの20日の発表を受けて売りが続いた。
その他の構成銘柄では、アメリカン・エキスプレス(アメックス)やビザ、JPモルガン・チェースが下落した。マイクロソフトやアマゾン・ドット・コム、ナイキも売られた。アナリストが目標株価を引き下げたセールスフォースも安かった。一方、ウォルマートやプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は上昇した。アップルとエヌビディアも高かった。
ナスダック総合株価指数は反落した。終値は前週末比258.796ポイント安の2万2627.273だった。データ分析プラットフォームのパランティア・テクノロジーズやメタプラットフォームズ、テスラが下落した。会計ソフトのインテュイットやアドビも安かった。
〔ロンドン株23日 小幅反落〕
23日の英FTSE100種総合株価指数はわずかに反落し、前週末比2.15ポイント安の1万0684.74で終えた。米関税政策に不確実性が高まっているとして、投資家が慎重姿勢に傾いた。半面、安全資産としての金の値上がりを背景に鉱業株に買いが入り、指数を下支えした。
銀行など金融や、防衛・航空を含む資本財、不動産の関連銘柄で売りが優勢だった。一方で鉱業株、英シェルなど石油株が上昇。消費財のユニリーバやたばこ、公益株に買いが入った。ロンドンの金現物価格は一時1トロイオンス5218ドル台と約3週間ぶりの高値を付けた。
FTSEの構成銘柄では、資産運用大手インターミディエイト・キャピタル・グループ(ICG)が4.95%安、投資持ち株会社パーシングスクエア・ホールディングスが4.47%安、会計ソフト大手セージが4.35%安と下げを主導。他方、産金大手エンデバー・マイニングは6.37%高、小売り大手JDスポーツ・ファッションは3.38%高、産金大手フレスニロは3.17%高と買われた。
〔ドイツ株23日 反落〕
23日のドイツ株価指数(DAX)は反落し、前週末比268.72ポイント安の2万4991.97で終えた。トランプ米政権による関税政策について先行きが見通せず、投資家が慎重姿勢を強めた。米株式市場で主要な株価指数が下げ幅を広げると、DAXも一段安となった。
DAXでは、航空機大手エアバスが3.43%安、業務用ソフトウエア大手SAPが3.42%安、自動車大手BMWが2.90%安と大きく下落。半面、通信大手ドイツテレコムは1.62%高、半導体大手インフィニオン・テクノロジーズは1.53%高、化粧品大手バイヤスドルフは1.22%高で終わった。
欧州株式市場でフランスの株価指数CAC40は反落し、前週末比0.21%安で終えた。防衛・航空関連や仏電機大手シュナイダー・エレクトリックが下げた。一部金融機関が投資判断を引き下げた蒸留酒大手の仏ペルノ・リカールが売られた。一方でLVMHモエヘネシー・ルイヴィトンなど消費関連の一部銘柄に買いが入った。
