16日のNYダウ工業株30種平均は4日続伸し、前週末比228ドル30セント(0.55%)高の4万1622ドル08セントで終えた。8月30日以来、およそ2週間ぶりに最高値を更新した。米連邦準備理事会(FRB)の大幅利下げが米景気を支えるとの見方から主力株の一角に買いが入った。
投資家はFRBが18日に利下げを決定し、引き下げ幅を通常の0.25%でなく、0.50%にするとの見方を強めている。大幅利下げで米経済が活性化するとの楽観から、金融など幅広い銘柄が買われた。市場では「利下げ幅が0.25%になると『失望売り』が起きる可能性がある」との指摘が出ている。
景気に配慮した大幅利下げで、米経済がソフトランディング(軟着陸)できるとの見方から先回りした買いが入った。
半面、ハイテク株は全般に軟調だった。ダウ平均は朝方に340ドル上げたが、40ドル高前後まで伸び悩む場面があった。S&P500種株価指数なども高値圏にあり、悪材料が出た銘柄を中心に利益確定売りが出た。
ダウ平均では「CHIPS・科学法」の一環として米国防総省への半導体供給で新たに米政府から支援を受けることになったインテルが6%あまり上昇した。メルクやシスコシステムズ、トラベラーズも高かった。
一方、アナリストが新型スマートフォン「iPhone16」の需要の鈍さを指摘したアップルが下げた。アマゾン・ドット・コムやボーイングも安い。
ナスダック総合株価指数は6営業日ぶりに反落し、前週末比91.849ポイント(0.51%)安の1万7592.127で終えた。アナリストが目標株価を引き下げた半導体のマイクロン・テクノロジーなどが売られ、エヌビディアやブロードコムなど半導体関連が全般に下げた。
NYダウ 41622.08 ( +228.30 )
S&P500 5633.09 ( +7.07 )
NASDAQ 17592.13 ( -91.85 )
米10年債利回り 3.619 ( -0.028 )
NY(WTI)原油 70.09 ( +1.44 )
NY金 2608.9 ( -1.8 )
VIX指数 17.14 ( +0.58 )
【シカゴ日本株先物概況】
16日のシカゴ日経平均先物は上昇した。12月物は前週末比215円高の3万6435円で終えた。この日は米連邦準備理事会(FRB)の大幅利下げ観測を背景にダウ工業株30種平均が最高値を更新するなど米株式相場が堅調で、シカゴ市場の日経平均先物にも買いが優勢となった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
36435 ( +145 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
36620 ( +330 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 8278.44(+5.35)
16日のFTSE100種総合株価指数は小幅に3日続伸し、前週末比5.35ポイント(0.06%)高の8278.44で終えた。市場では、週内に米国と英国でそれぞれ公表される金融政策に関心が高い。投資家の様子見姿勢が広がり、FTSE100種指数は方向感に乏しかった。
FTSEの構成銘柄では、小売り大手JDスポーツ・ファッションが3.63%高、一部金融機関が目標株価を引き上げた流通大手マークス&スペンサーが2.90%高、ホームセンター大手キングフィッシャーが2.18%高と上昇した。
一方、非中核事業と位置付ける一部事業の売却手続きを中断すると公表したことが材料となった保険大手フェニックス・グループ・ホールディングスは5.29%安、投資会社メルローズ・インダストリーズは2.57%安、蒸気システム大手スパイラックス・サーコは2.00%安と売られた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 18633.11(-66.29)
16日のドイツ株価指数(DAX)は4営業日ぶりに反落し、前週末比66.29ポイント(0.35%)安の1万8633.11で終えた。市場の関心は17〜18日に開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)に向かっている。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ姿勢を見極めたいとの様子見の雰囲気が出て、積極的な買いが入りにくかった。
個別では、半導体大手インフィニオン・テクノロジーズが2.60%安、医療機器のザルトリウスが2.31%安、化粧品大手ブレンタークが2.02%安と下げた半面、通販大手ザランドは1.70%高、エネルギー大手イーオンは0.81%高、高級車メーカーのポルシェは0.54%高となった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7449.44(-15.81)
フランスCAC40種指数は0.21%安だった。
