1日午前の日経平均株価は反発し、前日比225円86銭高の2万8047円62銭で終えた。
前場は自律反発狙いの買いが優勢となり日経平均は上昇した。前日の米国株市場ではパウエルFRB議長の議会証言でテーパリング加速の可能性が示唆されたことから、主要株指数が揃って大きく売られたものの、日経平均はこれに先立って直近3営業日で1700円近い下げをみせていることから、突っ込み警戒感からの買い戻しや押し目買いが入った。
新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の感染拡大への懸念は根強いものの、上昇する場面が目立った。
朝方の買いが一巡すると日経平均は下落に転じ、一時200円超安となった。新型コロナのオミクロン型が国内で初めて感染が確認されるなど感染拡大への警戒が強まったほか、米金融政策の正常化が早まるとの見方が懸念材料で、短期筋などの売りが膨らんだ。
ただ、下落した局面では主力銘柄を中心に買いが入った。東証1部の騰落レシオ(25日移動平均)は前日時点で71.53%と「売られすぎ」とされる80%を5日連続で下回り、2021年の最低水準となっていた。
市場では「テクニカル面などからみても、押し目買いが入りやすい」との声があった。
3月期決算企業の中間配当が支払われるシーズンを迎え、投資信託などの再投資による資金流入が相場を下支えているとの見方もあった。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)は反発した。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆6521億円、売買高は7億3650万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1574と、全体の約7割を占めた。値下がりは534、変わらずは72銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)はパルプ・紙、海運業、輸送用機器など30業種が上昇。情報・通信業、医薬品、食料品は下落した。
個別では、売買代金トップのレーザーテックが上昇したほか、エプソンとTOTOの上げも大きかった。ソニーグループ、トヨタ自動車も堅調。ファーストリテイリング、ファナック、ダイキン、リクルート、日本郵船なども上昇した。メドピア、ドリームインキュベータも急騰した。
半面、ソフトバンクグループが軟調で6000円台割れ、オリエンタルランドも売りに押された。エムスリーも冴えない。日本通信が急落、JMDCも大幅安。ペプチドリームも下げも目立つ。サイバー、ZHD、京成、JALも下げた。
東証2部株価指数は前日比10.60ポイント高の7367.72ポイントと6日ぶり反発した。
出来高は1億8001万株。値上がり銘柄数は179、値下がり銘柄数は210となった。
個別ではキーウェアソリューションズ、光陽社が一時ストップ高と値を飛ばした。Oak キャピタル、エヌリンクス、シャルレ、川崎近海汽船、英和が買われた。
一方、技研ホールディングス、大盛工業、日和産業、YE DIGITAL、ギグワークスなど68銘柄が年初来安値を更新。川本産業、東京ボード工業、TVE、イムラ封筒、イトーヨーギョーが売られた。
