4日午前の日経平均株価は反落し、前日比224円58銭安の2万3240円95銭で前場を終えた。
前日のNYダウが一時1000ドル超安と急落したことを受け、日経平均株価は前日比300円を超す下落でスタート。
前日の米株式市場ではアップルやテスラなど一方的な上昇が続いていた銘柄や、半導体関連に持ち高調整目的の売りが膨らんだ。東京株式市場でもソフトバンクグループ(SBG)やファストリ、東エレクをはじめとする半導体関連に売りが優勢となった。
一方で、このところ市場で広がっている提携や業界再編の思惑から買われる銘柄が目立ち、相場の下値を支えた。「日本株には底堅さもみられた」との声があった。
日本株については日経平均がコロナ急落前の水準を終値として前日に回復した達成感があったとはいえ、ハイテク主導の米国株と比べた高値警戒感は相対的に乏しいため、売り一巡後は下げ幅を縮小した。
外国為替市場で対米ドルの円相場が1ドル=106円台前半と、前日の日銀公表値(106円21~22銭)と比べて小幅な上昇にとどまっているのも過度なリスク回避の動きを和らげた。
日経平均のプラス寄与度をみると、ホンダ、トヨタ、スズキ、デンソー、ブリヂストンといずれも自動車関連株が上位につけた。ホンダは米ゼネラル・モーターズ(GM)と北米市場で戦略提携を進めると発表し、コスト競争力の強化に期待した買いが入った。
自動車販売は中国では回復しているものの、電気自動車(EV)をはじめ次世代車の攻勢を加速させるうえでも提携などの動きが広がると意識した買いが波及した。業界再編の思惑から地銀株の上昇も続いた。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)は反落した。前引け時点の東証1部の売買代金は概算で9405億円、売買高は5億3109万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1401と、全体の約6割を占めた。値上がりは662、変わらずは107銘柄だった。
業種別株価指数(全33業種)では、精密機器、情報・通信業、サービス業の下落が目立った。上昇は鉄鋼、輸送用機器、空運業など。
個別銘柄では、東エレク、レーザーテック、アドバンテスが軟調。任天堂、ソニーもさえない。ファーストリテは小幅安。ソフトバンクG、エムスリー、テルモ、ZHD、オリンパス、リクルート、武田が下落した。
半面、トヨタ、ホンダ、スズキが堅調。日本製鉄、JFE、神戸鋼も高い。SBIが上伸。三菱UFJ、三井住友は強含み。JAL、ANAが締まった。TOTO、東海カ、東京海上が上昇した。
東証2部株式指数は前日比6.58ポイント安の6437.64ポイントと3日ぶり反落した。
出来高6426万株。値上がり銘柄数は118、値下がり銘柄数は262となった。
個別では、フジコピアン、ベリテが年初来安値を更新。アルチザネットワークス、ベース、アイケイ、オーミケンシ、ケミプロ化成は値下がり率上位に売られた。
一方、大同信号、フレンドリーが一時ストップ高と値を飛ばした。パシフィックネット、情報企画、サンセイ、ジーエルサイエンスなど5銘柄は年初来高値を更新。川口化学工業、杉村倉庫、鶴弥、ビート・ホールディングス・リミテッド、要興業が買われた。
