221円安と軟調、コロナ感染拡大が重し

 
3日午前の日経平均株価は反落し、前日比221円76銭安の2万7559円26銭で前場を終えた。
きょう前場は主力株をはじめ広範囲に売り優勢の展開となった。前日のNYダウが続落したが、新型コロナウイルスの感染拡大や経済指標が事前コンセンサスを下回ったことで長期金利が急低下したことが重荷となっている。米国経済の回復が遅れれば、日本経済にも影響が及ぶ可能性が高く、全体買い手控えムードにつながった。海運セクターなど好業績銘柄や好調セクターの一角には買いが集まっているが、前場の値下がり銘柄数は全体の約7割を占めた。
 
米サプライマネジメント協会(ISM)が2日発表した7月の米製造業景況感指数が前月から低下したのを受けて、新型コロナウイルスの感染再拡大による景気の先行き懸念が意識された。その流れはアジア市場にも波及し、上海総合指数や香港ハンセン指数の下落につれて日経平均も300円近くまで下げ幅を広げる場面があった。
 
中国当局によるネット企業などに対する規制強化が中国景気を冷やすという警戒感も根強い。香港市場では騰訊控股(テンセント)が急落した。
 
東京株式市場では好業績銘柄に買いが入ったものの、全体を押し上げるほどの勢いはなかった。日経平均は前日に大幅反発していたとあって、戻り待ちの売りも出やすかった。
 
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)はいずれも反落した。前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆224億円、売買高は4億6407万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1525と、全体の約7割を占めた。値上がりは550、変わらずは111銘柄だった。
 


業種別株価指数(33業種)は空運業、鉱業、鉄鋼などが下落。上昇は海運業、精密機器、ガラス・土石製品など。
 
個別では、任天堂、ファーストリテイリング、ファナック、ネクソン、リクルート、ソフトバンクグループ(SBG)が値を下げたほか、ソニーグループも売りに押された。日本航空も安く、資生堂も軟調。GMBが急落、大塚商会も大きく値を下げた。
 
半面、レーザーテックが堅調、商船三井が買われ、AGC、HOYA、アドテスト、KDDI、豊田通商、三井物が上昇した。イー・ガーディアンが急騰、ジェイリース、昭和電線ホールディングス、日本アジア投資も買われた。
 
東証2部株価指数は前日比7.29ポイント安の7676.96ポイントと反落した。
出来高は8283万株。値上がり銘柄数は170、値下がり銘柄数は183となった。
 
個別ではポラリス・ホールディングス、サイバーステップ、広栄化学、日本ハウズイング、那須電機鉄工など8銘柄が年初来安値を更新。千代田化工建設、東洋刃物、東京ボード工業、パス、トラストが売られた。
 
一方、ブルボン、パレモ・ホールディングス、ニッセイ、三谷商事、パーカーコーポレーションが年初来高値を更新。ラオックス、日鍛バルブ、岡本工作機械製作所、リバーホールディングス、大丸エナウィンが買われた。

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