12日午前の日経平均株価は続伸し、前引けは前週末比220円39銭(0.68%)高の3万2485円56銭だった。
きょう前場はリスク選好の動きとなった。前週末の欧州株市場では主要国の株価指数が総じて軟調だったほか、米国株市場でもNYダウが一時マイナス圏で推移するなどはっきりしない展開だった。東京株式市場では前週末に日経平均が600円以上の急伸をみせていたことから、きょうはその反動も警戒されるところだったが、フタを開けてみれば引き続き物色意欲が旺盛な地合いとなった。前週末の株価指数先物・オプション6月物の特別清算指数(SQ)算出を無事通過したことで先物に振り回される懸念も薄まり、個別株を選別物色する動きが加速した。
朝方から成長(グロース)株の一角に買いが集まった。業種別では精密機器や電気機器の上昇が目立った。日本時間12日の米株価指数先物が堅調に推移したのも支えとなり、日経平均の上げ幅は一時250円を超えて6日に付けた年初来高値(3万2506円)を上回った。
今週は日米欧の各中央銀行が金融政策を決める会合を開く。市場関係者は「日銀が金融緩和を維持するとの見方は強く、海外勢などから日本株に引き続き買いが入りやすい」と指摘した。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から買いが先行して取引を開始。ただ、今週は米国および欧州、日本の各国中央銀行による金融政策決定会合が開催されるほか、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の会見、米5月消費者物価指数(CPI)など重要な経済指標の発表を控えていることもあり、徐々にこう着感が強まるとの指摘も市場からは聞かれている。
東証株価指数(TOPIX)は続伸した。午前終値は前週末比15.53ポイント(0.70%)高の2239.85だった。6日に付けた年初来高値(2236.28)を前引け時点で上回った。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆4871億円、売買高は5億8123万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1466と、全体の8割を占めた。値下がりは299銘柄、横ばいは67銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)では繊維製品、精密機器、医薬品の上昇が目立った。下落は海運業、陸運業、建設業など。
個別では、レーザーテックがしっかりだったほか、アドバンテストや東エレクが買われるなど半導体製造装置関連が強い。エーザイやエムスリー、ソフトバンクグループ(SBG)、三菱重工業も買われた。キーエンスも値を上げた。フリービットが値上がり率トップに買われ、日本駐車場開発も物色人気。このほかアイスタイル、ダブル・スコープ、三菱製紙などが値を飛ばした。
半面、川崎汽船、郵船が値を下げ、ファーストリテイリングも軟調。オリエンタルランドも冴えない。マースグループホールディングスが急落、エイチームも売られた。東京電力ホールディングス、OLC、ファストリも売り優勢だった。
