215円高と反発、米ハイテク株高を受け

 
 
29日午前の日経平均株価は反発し、午前終値は前日比215円88銭高の3万9232円75銭だった。
 
前日の米国株市場でナスダック総合株価指数が大きく切り返したことを受け過度な不安心理が和らぎ、空売りの買い戻しやリバウンド狙いの押し目買いが優勢となった。ただ、日経平均は朝方に400円以上水準を切り上げる場面があったが、その後は上値も重く上げ幅を縮小した。半導体関連の主力株などは買いが先行したものの、買い一巡後は値を消すものも多く全体相場の重荷となっている。
 
28日の米株式市場では米半導体大手エヌビディア(@NVDA/U)が9%近く上昇した。中国の人工知能(AI)開発企業DeepSeek(ディープシーク)が低コストのAIモデルを開発したことで米国の優位性が揺らぐとの警戒感が広がり、27日は17%近く下げていたが、いったん見直し買いが入った。AI投資の活況で恩恵を受ける銘柄という位置づけから売られていたアドテストもきょうは2024年4〜12月期決算の発表を前に買い戻しが先行。
 
しかし、AI向けの半導体投資に対する過度な期待は後退しているとの見方が根強いなかでアドテストが一時下げに転じると日経平均も歩調を合わせて上げ幅を縮小した。半導体関連ではディスコの下げが目立ったほか、電線のフジクラも売られた。
 
トランプ米政権の保護主義的な政策への懸念も積極的な買いを見送る要因になった。ブルームバーグ通信は日本時間28日、米国への輸入品に対する新たな一律関税を巡り、トランプ米大統領が「2.5%より『大幅に高く』設定したい考えを示した」と伝えていた。
 
東証株価指数(TOPIX)は反発した。前引けは前日比17.07ポイント(0.62%)高の2773.97だった。JPXプライム150指数も反発で前場を終えた。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆2016億円、売買高は8億4443万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は997、値下がりは565、横ばいは78だった。
 
買い優勢でスタートした東京エレクトロンが陰線を残し前日比マイナス圏で前場の取引を終えたほか、アドバンテストも、前日比4%超の反発でスタートした後、一時マイナス圏に突入するなど半導体株の動きは弱い。電線株も同様の展開から、DeepSeekの影響は払しょくできていない様子。
後場の日経平均は、引き続き半導体株、電線株の動向を横目に見た展開となりそうだ。昨日同様、下値圏での物色意欲は強いが、昨日の安値38886.05円を割り込むような状況となれば、投資家心理の悪化に伴う一段安などに警戒したい。

 


 
業種別では、サービス、電気機器、証券・商品先物、化学、鉄鋼などが上昇した一方、海運、医薬品、精密機器、空運、鉱業などが下落した。
 
個別では、昨日までの下落に対する反動が先行し、三菱重工業、日本製鋼所など防衛関連の一角が買われたほか、古河電工も上昇。また、アップル上昇などが影響し日東電工、TDKなどアップル関連もしっかり。良品計画が証券会社のポジティブなレポートを材料に上昇した。このほか、フジ・メディア・ホールディングスもしっかり。ソニーグループ、ルネサスエレクトロニクス、みずほ、野村などが買われた。PKSHA Technologyが値上がり率トップに買われ、Appier Groupも値を飛ばした。リクルート、TDK、トレンドが上昇した。
 
 
一方、2024年4-12月期連結決算で営業利益が前年同期比6%減の394億円だったことから日清製粉グループ本社が下落したほか、昨日上昇した日立建機が売られた。また、ディスコ、レーザーテック、SUMCOなど半導体株の一角がさえなかったほか、売買代金首位のフジクラも下げ止まらず。このほか、住友ファーマ、エーザイ、第一三共、野村マイクロ・サイエンス、MARUWAが急落した。

 

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