214円高、米株高引き継ぎリスク選好続く

 
12日午前の日経平均株価は続伸し、午前終値は前日比214円81銭高の3万9748円13銭だった。
 
きょう前場の東京株式市場は買い優勢でスタートし、その後伸び悩む場面もあったが終始プラス圏で売り物をこなし、取引中盤に上値指向を強めた。
前日の米国株市場では、トランプ次期政権下で打ち出される経済対策への期待感から、NYダウが300ドルを超える上昇で最高値を更新したのをはじめ、主要株価3指数がいずれも最高値圏で強調展開を示した。これを受けてきょう前場の東京市場でもリスクを取る動きが優勢だった。日経平均の上げ幅は300円を超える場面もあった。
ただ米国では対中規制への警戒感から半導体関連株が売られており、東京市場でも同関連株には値を下げる銘柄が目立っている。
 
米国のトランプ次期政権が打ち出す減税や規制緩和が米景気を押し上げるとの期待が米株を押し上げている。大統領選と同時に実施された米連邦議会選挙では共和党が上院で多数派となった。共和党が下院でも過半数を獲得できれば、新政権が経済政策を進めやすくなるとの見方が多い。米国で求人サイトを展開するリクルートは前日に発表した通期純利益予想の上方修正も好感されて大幅に上昇した。
 
外国為替市場では円相場が1ドル=153円台後半と、国内主要輸出企業の想定レートよりも円安・ドル高で推移するなか、きょうはトヨタやスズキをはじめ自動車株に買いが入った。直近急落していた日産自も上昇した。
 
半面、アドバンテスト、東京エレクトロン、レーザーテク、ディスコなど半導体関連は軒並み売りに押され、日経平均は朝方に上げ幅を100円未満に縮める場面もあった。米商務省が台湾積体電路製造(TSMC)に対して、中国の顧客への先端半導体の出荷を止めるよう命じたと伝わったのを受け、前日の米市場で半導体関連銘柄に売りが広がっていた。主要な半導体関連株で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は大幅に下落しており、東京市場での半導体関連の売りにつながった。
 
国内では石破茂首相(自民党総裁)が11日、衆参両院本会議の首相指名選挙を経て第103代首相に就任した。少数与党で安定的な政権運営ができるか不透明感もあるなかで、日本株の手掛かりになりにくかった。
 
為替は1ドル154円をつける場面も見られたが、輸出関連銘柄への追い風とはなっていない。後場の東京株式市場は、前場以上に決算発表銘柄に関心が向かい、日経平均は方向感に乏しい展開となろう。

 


 
東証株価指数(TOPIX)は反発した。前引けは前日比26.68ポイント(0.97%)高の2766.36だった。JPXプライム150指数は続伸で前場を終えた。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆2873億円、売買高は10億9482万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1238と全体の約75%を占めた。値下がりは353、横ばいは52だった。
 
業種別株価指数(33業種)はゴム製品、輸送用機器、サービス業、銀行業、保険業などが上昇した。下落は海運業など。
 
個別では三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクが高く、フジクラもしっかり。古河電気工業の物色人気が際立っている。米労働市場の改善で今期一転して増益予想となったリクルートホールディングスが値を飛ばし、上場来高値を更新。3メガバンクの純利益が2兆円超と報じられたことで、みずほ、三井住友、三菱UFJフィナンシャル・グループが上昇。ルネサスエレクトロニクスも買いを集めた。このほかI-PEXの急騰が続いている。
このほか、古河電工、日産自動車、三菱自動車工業、スズキなどが上昇した。
 
一方、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)がさえなかったことで、レーザーテック、アドバンテスト、ディスコ、東京エレクトロンなど半導体株が下落したほか、スクリーンHDは半期報告書提出期限の延長が嫌気された。日立製作所も冴えない。キーエンスが売られ、ディー・エヌ・エーも大きく下値を探った。また、DOWAは通期経常利益見通しを上方修正したが、市場コンセンサスに届かなったことで下落。このほか、川崎汽船、東レ、日立、太平洋セメントなどがさえない。アンビスホールディングスが急落、アルバックも大幅安となった。

 

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