30日午前の日経平均株価は続伸した。前引けは前日比213円27銭高の2万1372円35銭だった。
前日の海外株式市場は、欧州が堅調で、ハイテク株が買い戻された米国は反発した。米国では良好な経済統計を受けて長期金利先物やシカゴ・オプション取引所の恐怖指数(VIX)が低下し、日経平均先物は大きく上昇した。
日経平均株価は外部環境の好転を背景に続伸したが、一巡後は高値圏でのもみ合いに転じた。イースター(復活祭)で欧米のほか、オセアニアやアジアの一部が休場で、主要な取引参加者である海外勢が少なく「商いが薄いため方向性が出づらい」とされる。
日経平均はチャート分析で上値メドの1つとして意識されていた200日移動平均(29日時点で2万1322円)を上回って推移している。株式市場では「同水準を上回ったことも、個人投資家の買いや売り方の買い戻しを誘った」との声が出ていた。
経済産業省が30日発表した2月の鉱工業生産指数速報値は前月比で4.1%上昇した。市場予想を下回った半面、先行きの生産予測指数は前回予測を上回るなど強弱入り交じる内容だったため、材料視する市場参加者は乏しかった。
前引けの東証1部の売買代金は概算で9018億円、売買高は4億8733万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1389と、全体の約66%を占めた。値下がりは604、変わらずは86銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)は、海運業、非鉄金属、不動産業などが上昇する一方、電気・ガス業、銀行業、その他金融業などは低下した。
個別銘柄では、証券会社が投資判断を引き上げたコナミHDが大幅高。中期経営計画を発表した郵船も上昇している。ファストリなど値がさ株も買われた。
ソフトバンクグループが堅調、東京エレクトロン、SUMCOも高い。ァナック<6954>もしっかり。スター・マイカが値を飛ばしたほか、第一工業製薬、メンバーズなども人気となった。
一方、増資が伝わったJディスプレが安い。アステラスやエーザイなど医薬品株も売られた。カプコンの下げも目立った。トヨタ自動車が冴えず、ペプチドリームも売りに押された。タカラバイオ、インフォマートなどの下げも目立つ。カルビーも軟調。ペプチドリは急落。関西電が売られ、キヤノン、オリックス、SBIはさえない。
東証2部株価指数は前日比40.66ポイント高の7205.85ポイントと続伸した。
値上がり銘柄数は303、値下がり銘柄数は120となった。
個別では、日本リーテック、グッドコムアセット、青山財産ネットワークスが昨年来高値を更新。杉村倉庫、ファステップス、宮入バルブ製作所、ぷらっとホーム、川金ホールディングスが買われた。
一方、信和、日本アビオニクス、日本精機が昨年来安値を更新。パシフィックネット、アイスタディ、広島電鉄、アイケイ、プレミアムウォーターホールディングスが売られた。
