25日午前の日経平均株価は続伸した。前週末比213円73銭高の2万3326円61銭で前場を終えた。
前週末の米国株市場が強い動きをみせたことを受け、リスクを取る流れとなり、日経平均は朝方から上値指向を強めた。
米中貿易協議の進展期待を背景に前週末のNYダウ工業株30種平均が上昇、日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の失効が回避され、日韓両政府が12月の首脳会談に向けた調整に入ったと伝わったことも投資家心理を支えた。香港をはじめアジア各国・地域の株式相場が堅調に推移すると、日経平均は一時234円高まで上昇した。JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)も続伸した。
取引時間中は外国為替市場でドル高・円安含みに推移したことや、香港株をはじめアジア株市場が総じて強い動きを示したことも投資家心理改善につながった。
中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席が22日、「貿易戦争の回避に積極的に取り組んでいると述べた」と伝わったうえ、トランプ米大統領は米議会が可決した「香港人権・民主主義法案」に署名すべきか迷っているとも報じられた。24日には米ブルームバーグ通信が「中国は米国との貿易協議で争点の一つになっている知的財産権の侵害に対する罰則を強化すると発表した」と伝えた。米中の貿易交渉が進展するとの期待が先物買いを誘い、寄り付き直後に上げ幅を200円超に広げる場面があった。
大規模デモの混乱が続く香港では24日に地方議会にあたる区議会の議員選挙が実施され、香港政府や中国に批判的な民主派が全議席の6割以上を獲得し圧勝する見通しとなった。民主派は今後、普通選挙の実施など要求を強めるとみられるものの、足元では過激な抗議デモが一時的に沈静化した。香港・ハンセン指数が大きく上昇すると、日経平均は再び騰勢を強めた。
市場からは「米中貿易協議が楽観視され、区議会議員選挙を受けた香港株が高く、上海株が値を上げたことも安心感につながっている。ただ、日経平均2万3500円以上は上値が重く、米中協議の行方次第ではダウンサイドリスクがある」との声が聞かれた。
前引けの東証1部の売買代金は概算で8154億円、売買高は5億1415万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1603と、全体の74.4%を占めた。値下がりは435、変わらずは115銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)は、鉱業、鉄鋼、海運業の上昇が目立ち、下落は精密機器のみ。
個別では、任天堂が売買代金首位で上昇、村田製や東京エレクトロンも高い。旭化成、資生堂、ファーストリテイリングも堅調。東芝、コマツ、エーザイ、第一生命HD 、JFE、住友鉱が高い。ティアック、千趣会が大幅高、エボラブルアジア、エムアップなども値を飛ばした。
半面、コスモス薬品が軟調、日本新薬、小野薬も売りに押された。OLC、HOYA、パナソニック、楽天が安い。アイ・アールジャパンホールディングスが大幅安、チタン工業、石川製作所なども下落した。カチタス、TOKYO BASEも安い。
東証2部株価指数は前週末比84.19ポイント高の6850.29ポイントと続伸した。
出来高6857万株。値上がり銘柄数は289、値下がり銘柄数は113となった。
個別では、明豊ファシリティワークス、YE DIGITAL、オーウイル、アゼアス、サイバーステップなど14銘柄が年初来高値を更新。那須電機鉄工、恵和、TBグループ、グローバルダイニング、ユーピーアールが買われた。
一方、オリエンタルチエン工業、相模ゴム工業、ウェルス・マネジメント、トーヨーアサノ、新内外綿が売られた。
