市場では、米経済が減速するなかでも底堅さを保っていると受け止められた。相対的な出遅れ感があるとみられている景気敏感株の一部に買いが入った。中小型の内需株を中心に構成するラッセル2000株価指数は反発して終えた。
ダウ平均は下落に転じる場面があった。朝に発表した2024年4〜6月期決算で売上高が市場予想を下回ったプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)が5%近く下落した。業績見通しを引き下げたメルクは9.8%安で終えた。午後にはイスラエルがイスラム教シーア派組織ヒズボラの幹部を標的にレバノンの首都を空爆したと伝わった。リスク回避の姿勢が強まり、株売りが広がる場面があった。
FRBは31日午後に結果を公表する米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を据え置く公算が大きい。次回9月の会合で利下げを始めるとの見方が根強く、市場にはパウエル議長の記者会見で政策見通しを探りたい雰囲気があった。週内発表のアップルなど大型ハイテク企業の決算の内容を見極めたい市場参加者も多い。一部のハイテク株には持ち高調整の売りが目立ち、マイクロソフトやアマゾン・ドット・コムが下げた。
他のダウ平均の構成銘柄では、ゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースといった金融株が上昇した。マクドナルドやアメリカン・エキスプレスなどの消費関連の一角にも買いが入った。アナリストが目標株価を引き上げたトラベラーズも高かった。一方、インテルとキャタピラーが下げた。
ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反落した。前日比222.784ポイント(1.28%)安の1万7147.417と、6月上旬以来の安値で終えた。エヌビディアが7%安で終えるなど半導体株の下げが目立ったほか、テスラにも売りが出た。
【シカゴ日本株先物概況】
30日のシカゴ日経平均先物は下落した。9月物は前日比225円安の3万8105円で終えた。
【欧州株式市場】
FTSE100 8274.41(-17.94)
中型株で構成するFTSE250種株価指数は反発した。前日比0.84%高の2万1432.51と2022年3月下旬以来、約2年4カ月ぶりの高値で終えた。
FTSEの構成銘柄では、医療機器のコンバテックが5.80%安、賭け屋大手エンテインが5.46%安、減収減益の決算を公表したディアジオが5.08%安と下げを主導。
一方、24年4〜6月期決算とあわせて自社株買いを発表した金融大手スタンダード・チャータードは5.94%高と急伸し、高級衣料のバーバリーが3.70%高、エンジニアリング会社ウィアーグループが3.63%高で続いた。
DAX 18411.18(+90.51)
30日のドイツ株価指数(DAX)は反発し、前日比90.51ポイント(0.49%)高の1万8411.18で終えた。欧州で好調な決算を公表したイタリアの大手銀インテーザ・サンパオロ株が上昇し、ドイツの銀行株にも買いが波及した。
31日以降に米国や英国で金融政策が発表される。内容を確認したいとの雰囲気もあり、指数上昇の勢いは限られた。
個別では、医療機器のザルトリウスが3.73%高、ドイツ銀行が2.23%高、航空機大手エアバスが2.13%高と買われた半面、日用品大手ヘンケルは1.36%安、医療機器のシーメンス・ヘルシニアーズは1.32%安、セメント大手ハイデルベルクは0.55%安で取引を終えた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7474.94(+31.10)
フランスCAC40種指数は0.42%高だった。四半期決算が好調だった銘柄を中心に買いが入った。
