191円高と続伸、米株高値で半導体関連が上昇

 
12日午前の日経平均株価は続伸し、午前終値は前日比191円57銭(0.58%)高の3万2983円37銭だった。上げ幅は一時300円を超えた。
 
朝方からリスク選好の地合いで始まり、日経平均株価は寄り付きでフシ目の3万3000円台を回復した。前日の米国株市場でNYダウ、ナスダック総合株価指数いずれも年初来高値を更新したことで、市場のセンチメントが改善している。ただ、日本時間今晩に11月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えるほか、日本時間14日未明にFOMCの結果発表とパウエルFRB議長の記者会見を控えており、この内容を見極めたいとの思惑から買い一巡後は伸び悩んだ。取引時間中に外国為替市場で円高方向に振れたことも主力ハイテク株などの買い気を削ぐ形となった。前引け段階で日経平均は3万3000円台を下回って着地している。
 
主要半導体銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)も1年11カ月ぶりの高値を付けた。東京市場でも東エレクやアドテスト、スクリン、ルネサスなど半導体関連の上昇が目立った。
 
半面、日経平均は前週後半に大幅に下落し、3万3000円を大きく下回る場面があったため、安値で買った個人投資家などからの戻り待ちの売りが相場の重荷となった。政治資金問題を巡る政治的な不透明感が一部海外投資家から嫌気されているとの指摘もあった。
 
ドルは145円台後半と円高は一服しており、時間外の米10年債利回りは4.2%台と落ち着いた動きを見せている。後場の日経平均は、為替を睨みつつ、3万3000円前後でのもみ合いとなりそうだ。今晩から明日(発表は日本時間14日未明)にかけて今年最後のFOMCが開催されることから、指数などを手掛ける機関投資家の様子見ムードは強い。
FOMCの結果が伝わっても、来週18-19日には日銀金融政策決定会合が実施されることから大型株への積極的な売買は徐々に収束しそうだ。投資家の関心は、東京電力HDなど派手な動きを見せる個別株に向かいやすいと考える。

 


 
東証株価指数(TOPIX)は続伸した。前引けは6.61ポイント(0.28%)高の2365.16だった。JPXプライム150指数は続伸し、5.57ポイント(0.53%)高の1047.51で前場を終えた。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆7651億円、売買高は7億5353万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は822。値下がりは786、横ばいは51だった。
 
業種別株価指数(33業種)は不動産業、非鉄金属、電気機器、機械などが上昇。下落は銀行業、鉱業など。

 
個別では、東京エレクトロンが堅調、ルネサスエレクトロニクスが買われ、ディスコも上値を追った。SCREENホールディングス、TDK、信越化も高い。アウトソーシングが商いを膨らませ値上がり率トップとなったほか、ジェイリース、物語コーポレーションなどの上げも目立つ。東急不HDと東建物が高かった。
 
半面、東京電力ホールディングスが利食われ、ゼンショーホールディングス、第一三共、資生堂も安い。三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクも軟調。ダイダン、学情などが急落したほか、ファーマフーズも大幅に値を下げた。

 

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