17日午前の日経平均株価は反発し、午前終値は前日比191円17銭(0.54%)高の3万5810円35銭だった。
きょう前場は朝方から買い優勢の展開で、日経平均は一時600円以上も上昇する場面があった。前日の米国株市場は長期金利上昇を嫌気して軟調だったが、外国為替市場で急速に円安が進行したことが全体株価に浮揚力を与える形となっている。海外勢とみられる買いが高水準で、先物主導で3万6000円台を回復したが、その後は手仕舞い売りで急速に伸び悩んだ。前引け時点での日足チャートは陰線となっている。
16日の米株式市場で主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が前週末比1.32%上昇した。画像処理半導体のエヌビディアや同業のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が上げた。東京株式市場ではアドテストや東エレク、レーザーテクなどに買いが入った。
自動車株など輸出関連株も堅調だった。17日午前の東京外国為替市場で円相場は一時、1ドル=147円台半ばの円安・ドル高に傾いた。米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事が16日の講演で「政策の軌道修正は慎重に判断し、急ぐ必要はない」と述べた。早期の利下げをけん制したと受け止められ、日米金利差拡大を見越した円売りドル買いを誘った。
ただ、日経平均は前場中ごろから急速に伸び悩み、上げ幅は100円を下回る場面もあった。17日の中国・上海や香港株が下落して始まったうえ、中国の上海証券取引所が同日、上場する日経平均連動型の上場投資信託(ETF)の売買を一時停止したと伝わった。日本株が急ピッチで上昇してきただけに先物売りのきっかけになったとの見方があった。
11時に発表された中国の12月小売売上高は前年比7.4%増と市場予想の同8.0%増を大幅に下回った。また、12月の新築住宅価格は約9年ぶりの大幅な下落となったことなどから中国経済への先行き不透明感の高まりが後場の東京株式市場の重しとなろう。前場の日経平均、TOPIXはともに長い上影(上ヒゲ)を残していることから、投資家のモメンタムが低下する可能性もある。中国株が下げ止まるかがポイントとなえうだろう。
東証株価指数(TOPIX)は反発した。前引けは14.75ポイント(0.59%)高の2518.73だった。JPXプライム150指数は反発し、4.44ポイント(0.39%)高の1132.40で前場を終えた。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆9338億円、売買高は10億5130万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1107。値下がりは490、横ばいは60だった。
業種別株価指数(33業種)は保険業、卸売業、小売業、ゴム製品などが上昇。下落は鉱業、電気・ガス業など。
個別では、レーザーテックが大商いで大幅高に買われたほか、東京エレクトロンも堅調、ソフトバンクグループも買いが優勢だった。商船三井が高く、三菱商事や住友商、伊藤忠も物色された。さくらインターネットが連日の急騰、大真空なども値を飛ばした。ソニーGやトヨタ、イオンが上げた
半面、東京電力ホールディングスが軟調、信越化学工業も売りに押された。任天堂も冴えない。三菱重工業も値を下げた。ジャパンインベストメントアドバイザーが急落、ヤマエグループホールディングスも大幅安。中外薬や第一三共、資生堂は下げた。
