190円安 米株安受け利益確定売り続く

5日午前の日経平均株価は続落した。午前終値は前日比190円98銭安の2万3784円64銭だった。東証株価指数(TOPIX)は9.22ポイント安の1791.97と軟調だった。
 
前日の米株安を受けてリスクオフの流れとなり、日経平均は寄り後早々に240円以上下げる場面があった。急速に上昇傾向にある米長期金利を警戒して化学株やハイテクセクターへの売りがかさみ全体指数を押し下げている。
 
米国では経済指標の強さなどを背景に長期金利が上昇基調となり、株式から債券へと投資資金が流出するとの観測が出ている。
さらに「(好景気でも金利が上がらず、投資がしやすい)適温相場の終了が再び意識され始めた」いい、米主要株価指数はそろって大きく下げた。これを受けて東京市場も朝から売りが優勢となり、特に米国で大きく売られた半導体関連業種の下げがきつくなった。
 
急速に下げ渋る場面もあった。外国為替市場では、円相場が1ドル=114円前後まで伸び悩んだため、トヨタなど自動車株を中心に買い戻しの動きもみられた。日米の長期金利の高止まりを背景とした収益改善期待から銀行や保険などの金融株が買われたことも相場全体を下支えした。
 
前引けの東証1部の売買代金は概算で1兆1927億円、売買高は6億6203万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1598と、全体の7割超を占めた。値上がりは436、変わらずは71銘柄だった。
 
業種別株価指数(33業種)は、化学、非鉄金属、鉱業、金属製品などが下落。証券・商品先物取引業、銀行業などが上昇した。
 
個別では、東京エレクトロン、SUMCOなどが軟調、TDKも値を下げた。中国がアップルなど米企業のサーバーに悪質なチップを埋め込んでいたとの一部報道が伝わり、米中摩擦の激化懸念からファナックなど中国関連とされる銘柄の一角が売られた。ソフトバンクやファストリ、資生堂も冴えない。クリーク・アンド・リバー社が急落、三菱ガス化学も大きく下げた。富士石油、東ソーも安い。TATERUも売られた。
 
半面、三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクが強く、ユニファミマやセブン&アイ、イオンなどの小売り株が物色人気となった、佐鳥電機が値を飛ばし、ソフトバンク・テクノロジーも大きく上値を伸ばした。三菱商、伊藤忠などの商社株も上昇した。
 
東証2部株価指数は前日比52.44ポイント安の7328.90ポイントと反落した。
出来高5787万株。値上がり銘柄数は119、値下がり銘柄数は283となった。
 
個別では、ビート・ホールディングス・リミテッドが一時ストップ安と急落した。アスモ、カネヨウ、児玉化学工業、JFEコンテイナー、ジャパンエンジンコーポレーションなど10銘柄は年初来安値を更新。アウンコンサルティング、イワキ、アドテック プラズマ テクノロジー、コメ兵、安川情報システムが売られた。
 
一方、プレミアグループ、南陽、東海汽船が年初来高値を更新。毎日コムネット、テクノマセマティカル、ピクセラ、ケミプロ化成、ASTIが買われた。

 

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