29日午前の日経平均株価は続落した。前週末比19円30銭安の2万1165円30銭で前場を終えた。
朝方に日経平均は上げ幅を281円まで広げる場面があった。前週に大きく下げたため、目先の戻りを見込んだ個人投資家などの買いが先行。2019年3月期通期の業績見通しを引き上げた信越化が大幅高となるなど、半導体関連に見直し買いが入ったことも相場を支えた。
しかし、日本時間午前10時半に中国・上海市場が軟調にスタートすると、大幅高だった日経平均は短時間のうちに値を消した。
下落して始まった中国・上海株式相場が水準を切り下げたほか、香港や韓国といったアジア各国・地域の株価指数が総じて下げ、日本株にも嫌気した売りが優勢となった。
中国景気の先行き不透明感が改めて意識され、機械や精密機器、電気機器といった景気敏感株が相場を下押した。
株式相場の予想変動率を示す日経平均ボラティリティー・インデックス(日経平均VI)が低下した後、相場の下げにつれて上昇に転じた。変動率の高い状態が続いていることも買い手控えにつながった。
「国内外の機関投資家が持ち高削減を続けている」との指摘もあり、「午後は買い戻しが期待できず、買い手不在に陥り、日経平均の下げ幅が拡大しかねない」との見方が出ていた。
JPX日経インデックス400は続落。東証株価指数(TOPIX)も続落し、午前の下落率は0.27%だった。
前引けの東証1部の売買代金は概算で1兆1592億円、売買高は6億4706万株だった。
東証1部の値下がり銘柄数は1269と、全体の約6割だった。値上がりは750、変わらずは89銘柄だった。
業種別株価指数(全33業種)は情報・通信業、電気機器、銀行業などが下落し、陸運業、電気・ガス業、空運業は上昇した。
個別では、任天堂が軟調、トヨタ自動車も売りに押された。NTTドコモやKDDIが安い。富士通が大幅安、リコーの下げも目立つ。米長期金利の低下が嫌気され、T&DやSOMPO、三菱UFJなど金融株の一部が下落。千趣会、バリューコマースが急落、システナ日本航空電子工業も大きく値を下げた。
半面、信越化学工業が大きく買われ、クラリオンも上昇した。大東建託もしっかり。富士ピー・エスは一時ストップ高、幸楽苑ホールディングスも商いを膨らませて値を飛ばした。富士通ゼネラルも大幅高。関西電やオリックスが上昇。ファナックや武田、東エレクが高い。
東証2部株価指数は前週末比62.32ポイント安の6814.65ポイントと5日続落した。
出来高4921万株。値上がり銘柄数は109、値下がり銘柄数は311となった。
個別では、エヌ・ティ・ティ・データ・イントラマート、ヒガシトゥエンティワンがストップ安。
三井金属エンジニアリング、南海辰村建設、森組、サンテック、中央ビルト工業など110銘柄は年初来安値を更新。
アピックヤマダ、KIホールディングス、コーア商事ホールディングス、ピクセラ、キャピタル・アセット・プランニングが売られた。
一方、アイケイが一時ストップ高と値を飛ばした。兼房、ロブテックス、カネヨウ、JFEシステムズ、ショクブンが買われた。
