20日午前の日経平均株価は続落し、前日比184円52銭安の2万7096円65銭となった。下げ幅は250円に迫り、2万7034円と1月の年初来安値(2万7055円)を下回る場面もあった。
連邦準備理事会(FRB)が年内にも量的緩和の縮小(テーパリング)に踏み切る可能性が強まったことが引き続き警戒され、新型コロナウイルス変異株の流行で世界経済の減速懸念も根強く、景気敏感株を中心に売りが出た。
前日にトヨタが大幅減産を発表したのを受け、自動車関連株が大幅下落した。取引時間中の上海や香港の株式相場や米株価指数先物が下落しているのも重荷となった。
トヨタは東南アジア地域の新型コロナ感染拡大で工場の稼働率が落ちたという。市場では「東南アジアに工場を持つ国内企業は多く、他のセクターにも今後影響が広がるのではないかとの懸念も出ている」との指摘があった。
中国当局による規制強化などを背景に、アリババ集団など中国のネット株が軟調。傘下のファンドを通じて中国企業に出資しているソフトバンクグループ(SBG)は大幅下落した。
市場からは「まさに4重苦だ。国内の新型コロナ感染者数はピーク更新中で、円高気味にある。日経平均と連動しやすいハンセン指数の下落や、米株のスピード調整的な動きも重しだ」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)はともに下落した。前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆3382億円、売買高は5億8571万株だった。
業種別株価指数(33業種)は海運業、輸送用機器、非鉄金属などが下落。上昇は電気・ガス業、陸運業、その他製品など。
個別銘柄では、トヨタのほか日産自動車やホンダ、マツダが大幅安。デンソーやアイシンが売られた。日本郵船や商船三井が大幅安となり、ソフトバンクグループやファーストリテイリングも軟調。日本製鉄、JFEも売られた。
半面、任天堂やソニーグループ、東電HD、東ガスも高く、塩野義製薬や第一三共が値を上げた。
東証2部株価指数は前日比74.57ポイント安の7381.94ポイントと続落した。
出来高は8077万株。値上がり銘柄数は83、値下がり銘柄数は288となった。
個別では、ユニバンスが一時ストップ安と急落した。技研ホールディングス、高田工業所、フルスピード、DNAチップ研究所、テクノフレックスなど25銘柄は年初来安値を更新。玉井商船、アウンコンサルティング、栗林商船、兵機海運、松尾電機が売られた。
一方、北日本紡績、セメダイン、小池酸素工業が年初来高値を更新。ジー・スリーホールディングス、バイク王&カンパニー、アクロディア、クシム、ウェルス・マネジメントが買われた。
