12日前引けの日経平均株価は8日続伸、前日比180円28銭高の2万1778円04銭で取引を終えた。上げ幅は一時200円を超え、終値ベースの7月高値(2万1756円)を上回った。
取引開始前にトランプ米大統領が2500億ドル分の中国製品に対する制裁関税の拡大を先送りすると発表した。米中関係の融和による株式相場の上昇を見込んだ海外短期筋が株価指数先物に買いを入れた。円相場が1ドル=108円台に下落し、輸出関連株を中心に短期売買を手掛ける海外の投資家らの買いが優勢となった。
一方、連日で上昇していた三菱UFJなどメガバンク株には相場の流れに逆らって売買する「逆張り」の個人投資家からの売りが出ていることや、日経平均は前日まで7日続伸と上値追いを続けていたことで利益確定の売りも出ており、上値を抑えている。
市場では「あす13日のSQ値の算出を前に、株価指数先物がらみの売買は峠を越えたようだ。現地12日にはECB(欧州中央銀行)理事会が開催されることから、取引時間の後半には様子見姿勢となることも想定される」との声が聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)は、10.51ポイント高の1594.17だった。JPX日経400も続伸した。
東証1部の出来高は7億2232万株、売買代金は1兆1968億円。騰落銘柄数は値上がり1233銘柄、値下がり802銘柄、変わらず115銘柄だった。
業種別株価指数(全33業種)はその他製品、電気機器、小売業が上昇し、銀行業、証券・商品先物取引所、石油・石炭製品は下落した。
個別では、ヤフーによるTOB(株式公開買い付け)の発表を受けZOZOが急伸した。任天堂、東京エレクトロン、スクリン、アドテスト、ファナックが高い。大日印、岩崎電気、いであ、コロプラ、バリューコマースも買われた。
半面、ファミマ、ソフトバンクグループ(SBG)、楽天が下落した。エーザイ、アステラス、トヨタ自動車、GMOペイメントゲートウェイが安い。オハラ、アトラ、TATERU、曙ブレーキ工業なども売られた。
東証2部株価指数は6日続伸した。前日比30.88ポイント高の6534.00ポイントだった。
出来高は4293万株。値上がり銘柄数は228、値下がり銘柄数は163となった。
個別では、省電舎ホールディングス、アイスタディ、JMACSがストップ高となり、ミダックは一時ストップ高となった。アゼアス、田岡化学工業、東亜石油、天昇電気工業、スターフライヤーなど7銘柄は年初来高値を更新した。技研ホールディングス、インスペック、ギグワークス、ハイパー、ヤシマキザイが買われた。
一方、さくらケーシーエスが年初来安値を更新した。神島化学工業、ヤギ、さいか屋、大和重工、ウインテストが売られた。
