179円安と続落 解散見送り、「選挙で株高」思惑剥落

 
日経平均株価は下落。16日午前の日経平均株価は続落した。前日比179円53銭(0.54%)安の3万3305円96銭で終えた。
 
前日の米株式市場は5月小売売上高が予想を上回ったことなどを受けて反発した。しかし、高値警戒感が台頭するなか日経平均株価は値を下げて推移した。岸田文雄首相が15日に「今国会での衆院解散は考えていない」と発言したことから、総選挙による株高の思惑が剥落したことも嫌気された。この日は日銀が金融政策決定会合の結果を発表することから、売り一巡後は様子見姿勢も強まった。
 
衆院解散・総選挙への思惑が高まるなか、日経平均は今週に入って前日までに1200円ほど上昇していた。今国会での解散はないと分かり、目先の利益を確定する売りが出た。
 
市場間関係者は、「きょうはいったん下げているものの、このところ売買代金は多く、売りをこなしながらも上げる強さがある。日本の株式相場が調整局面に入るとはみていない」と話していた。
 
前日にダウ工業株30種平均が年初来高値を更新するなど米株式相場は堅調で、日本株の支えとなった。5月の米小売売上高は市場予想を上回り、個人消費の底堅さが示された。
 
前引け後には日銀が金融政策決定会合の結果を公表。現行の金融緩和策を維持した。現状維持なら日経平均は後場にかけて下げ幅を縮小しそうだ。
 
月末にかけては株主総会シーズンの終了に伴う材料出尽くし感や、四半期末に伴う年金基金によるリバランス(資産配分の調整)目的の売りが想定され、4、5月以降で上昇率の大きい値がさ株や大型株の上値はさらに重くなってくることが予想される。一方で、依然として出遅れ感の強い中小型株・新興株はこうした懸念要素に乏しいため、さらなる出遅れ解消が期待される。目先は業績好調ながらも、これまで見向きもされてこなかった新興株を中心に投資機会を見出すべきと考える。
 



前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆9056億円、売買高は6億7764万株だった。東証株価指数(TOPIX)も下落した。東証プライムの値下がり銘柄数は894。値上がりは855銘柄、横ばいは84銘柄だった。
 
 
業種別株価指数(33業種)では海運業、輸送用機器、鉄鋼、パルプ・紙などの下落が目立った。上昇は空運業、鉱業など。
 
 
個別銘柄ではアドバンテスト、東京エレクトロン、ソシオネクストといった半導体関連株が軟調。ソニーグループやキーエンスが安く、トヨタ自動車、三菱商事、HOYA、ホンダ、アルプスアルが値を下げた。竹内製作所の建機、日本製鉄、神戸製鋼所の鉄鋼、三菱重、IHIの防衛関連など、景気敏感株を中心に幅広い銘柄が下落した。
 
半面、ソフトバンクグループやニデックが高く、オリンパス、キヤノン、資生堂は上昇した。
メルカリやカバーも買われた。前日ストップ高比例配分となっていたMSOLは本日も一時ストップ高を付けた。自社株買いを発表したキヤノンとニーズウェルは大幅高となり、レーティングが引き上げられたレゾナックも上昇した。

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