172ドル高、利下げ継続見通しが支え

19日のNYダウ工業株30種平均は3日続伸し、前日比172ドル85セント(0.37%)高の4万6315ドル27セントで終えた。
 
前日に続き最高値を更新した。米連邦準備理事会(FRB)が利下げを続けることで、米経済を支えるとの見方が引き続き買いを促した。米中首脳が電話協議し、両国間の課題について対話を続ける姿勢を示したことも追い風となった。
 
FRBは今週開催した金融政策会合で利下げを決定。年内さらに2回の追加利下げ実施見通しも示され、米経済を下支えるとの期待感が株価を押し上げた。
 またこの日は、アップルが3%超高と堅調だった。同社はこの日、新型スマートフォン「iPhone(アイフォーン)17」シリーズを日本や米国などで発売。日系証券筋は「この日は同社など巨大IT企業がけん引した」と分析した。
 
FRB理事に就任したミラン米大統領経済諮問委員会(CEA)委員長は19日の米CNBC番組で、「関税による目立ったインフレの兆候がみられない」と強調。今回の会合で0.5%の利下げを求めたことの正当性を主張した。
 
市場では「サービス価格は高止まりしており、(インフレ圧力が深刻になったときに)ミラン氏の言動に変化があるのか見守りたい」との指摘があった。
 
トランプ米大統領と中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は19日、電話協議した。米政府高官は電話協議後、CNBCに対し中国発の動画配信アプリ「TikTok(ティックトック)」の米国事業売却の問題について最終的な合意には至らなかったと語ったものの、合意に向けた大きな進展は得られたとした。
 
トランプ大統領は電話協議後、自身のSNSで10月末に韓国で開催される国際会議で習氏と会談する予定だと明らかにした。市場では「両国の対話が今後も継続すると受け止められ、安心材料となった」との声があった。
 
ダウ平均の構成銘柄ではアップルの上昇が目立った。19日に発売した新型スマートフォンの受注が好調と伝わったほか、アナリストが目標株価を上げたことが材料視された。アムジェンやジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)、スリーエムも高かった。半面、シェブロンやナイキは売られた。ウォルマートやウォルト・ディズニーも安かった。
 
ナスダック総合株価指数は続伸した。前日比160.751ポイント(0.71%)高の2万2631.476で終え、前日に続いて最高値を更新した。ネットフリックスやテスラが高かった。
 
S&P500種株価指数は前日比32.40ポイント(0.48%)高の6664.36で終え、2日連続で最高値を更新した。
 
 
NYダウ    46315.27 ( +172.85 )
S&P500    6664.36 ( +32.40 )
NASDAQ  22631.48 ( +160.76 )
米10年債利回り  4.127 ( +0.020 )

NY(WTI)原油   62.68 ( -0.89 )
NY金      3705.8 ( +27.5 )
VIX指数    15.45 ( -0.25 )


【シカゴ日本株先物概況】

19日のシカゴ日経平均先物は下落した。12月物は前日比590円安の4万5005円で終えた。日銀が19日まで開いた金融政策決定会合で保有する上場投資信託(ETF)を市場で売却することを決めた。同日の日経平均株価は下落し、シカゴ市場の日経平均先物も売りが優勢となった。
 
 
シカゴ日経225先物 (円建て)
45005 ( +275 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
45100 ( +370 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
 

19日のFTSE100種総合株価指数は3日ぶりに反落した。前日に比べ11.44ポイント(0.12%)安の9216.67で終えた。8月の英国の財政赤字が市場予想以上に膨らみ、財政悪化懸念が投資家心理の重荷となった。もっとも、米中の首脳協議の結果を見極めたいとの雰囲気が強かった。指数は高く推移する場面もあり、方向感に乏しかった。
 
FTSEの構成銘柄では、産金大手フレスニロが5.18%高、同業エンデバー・マイニングが5.05%高と急伸し、衣料小売り大手ネクストが2.55%高で続いた。一方、ロンドン証券取引所グループは5.77%安、広告大手WPPは5.18%安、小売り大手JDスポーツ・ファッションは3.85%安と売られた。
 

■ドイツ・フランクフルト株価指数
 

19日のドイツ株価指数(DAX)は3日ぶりに反落し、前日比35.12ポイント(0.14%)安の2万3639.41で終えた。前日に米株式相場が最高値を更新したことを受けて買いが先行したものの、週末を控えて持ち高調整の売りが次第に優勢となった。
 
個別では、医療機器のザルトリウスが1.89%高、コメルツ銀行が1.18%高、化学品商社ブレンタークが1.12%高と上昇。半面、通販大手ザランドは3.42%安、香料大手シムライズは2.88%安、自動車部品大手コンチネンタルは2.16%安で取引を終えた。
 

■フランス・パリ株価指数

フランスの主要な株価指数であるCAC40はほぼ横ばいだった。
 

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