170円安と荒い値動き、一時3万0500円手前まで下落

 
24日午前の日経平均株価は続落し、前日比170円96銭(0.55%)安の3万0828円59銭で終えた。
 
朝方に買いが先行したが、その後は戻り売り圧力に押され下げに転じた。前日の米国株市場でNYダウが4日続落し約5カ月ぶりにフシ目の3万3000ドル大台を割り込んだことで、投資家の不安心理が増幅されている。中東情勢などの地政学リスクも警戒されるなか、日経平均は一時400円を超える下げで3万500円台まで水準を切り下げる場面があった。ただ、前場取引終盤に先物主導で買い戻しが入り下げ幅を縮小させている。値下がり銘柄数は全体の3分の2を占める状況で、売買代金上位の主力株の軟調ぶりが目立っている。
 
前日の米債券市場で長期金利は一時5.02%と2007年以来、16年ぶりの高水準を付けた後に低下し、4.85%で終えた。ただ、依然として米金利の高止まりを意識する投資家は多い。米金利の高止まりを通じた米景気後退(リセッション)懸念は根強く、世界の景気敏感株とされる日本株は買いにくい局面との見方があった。中東情勢を巡る地政学リスクも引き続き意識された。
 
日経平均は朝方に上昇する場面があった。前日までの3営業日で1042円下落しており、23日は心理的節目の3万1000円を割り込んだ。きょうの安値圏ではファストリやソフトバンクグループ(SBG)などの値がさ株に自律反発を見込んだ買いが入った。
 
荒い値動きとなっている。外部環境が不安定で相場全体においては買い材料が見いだせない状況が続いている。そのようななか、決算発表を物色材料にと関連銘柄に多く目が向けられているが、IT・電気関連の決算発表で先陣を切るニデックが車載事業の伸び悩みがネガティブ視され大幅反落となった。23年4~9月期の連結純利益(国際会計基準)は市場予想に届かなかった。ニデック株は11%安まで下げる場面があった。
決算発表ラッシュ出だしで出鼻をくじかれる形となってしまったことで、投資家心理は悪化し前場は前半大きく下げた。ただ、3万0500円手前で反発し、半値戻しとなった。
 
前日に決算を発表したニデック株の急落も投資家心理を冷やした。
市場では「ニデック株急落で製造業中心に4~9月期決算に対する懸念が強まった面がある」との声も聞かれた。
 

 


東証株価指数(TOPIX)は14.22ポイント安の2224.59と続落した。JPXプライム150指数も続落し、前引け時点で5.64ポイント(0.58%)安の971.82だった。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆9589億円、売買高は7億6052万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1101、値上がりは496銘柄、横ばいは62銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)は海運業、鉱業、銀行業、証券・商品先物取引業などが下落。上昇は空運業、精密機器など。
 
個別では、東エレクや中外薬が安い。レーザーテクや第一三共の下げも目立った。
車載事業の伸び悩みがネガティブ視されたニデックが大幅下落となったほか、霞ヶ関キャピタル、川崎汽船、プロレド・パートナーズ、DmMiXらが値下がり率上位に並んだ。
 
一方、テルモや資生堂は買われた。アンビスHD、エアトリ、メディアドゥ、ウェルビー、ベネフィット・ワン、ジンズホールディングス、富士急行、吉野家HD、サイゼリヤ、力の源HDらが値上がり率上位に並んでいる。次世代車向け3ナノ半導体を26年量産との報道が材料視されたソシオネクストは大幅反発したが、本日の半導体関連株は全般的にみて、SOX指数下落もあって売り先行の展開にはなっている。
 
 

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