18日午前の日経平均株価は続伸した。前日比160円54銭(0.56%)高の2万8675円32銭と、3月9日の年初来高値(2万8623円15銭)を上回る水準で午前の取引を終えた。
朝方は日経平均が前日終値近辺で強含みに推移するも方向感の見えにくい展開だったが、その後は買いが厚くなり次第高となった。日経平均は前日まで7営業日続伸していたこともあり、目先筋の利益確定の動きも観測されたが、買い意欲も旺盛で、前引けは160円あまりの上昇をみせ2万8600円台後半で着地した。これは3月9日につけた2万8623円(終値ベース)の年初来高値を上回る水準。米景気減速に対する警戒感が後退したことや、中国の好調な経済指標がマーケットの強気心理を後押しした。
前日発表の米経済指標をきっかけに米景気の先行き懸念が後退し、景気敏感株の一角に買いが入った。
市場では「市場心理が一段と楽観に傾き、プログラム取引を主とする投資家による機械的な買いが入ったようだ」との指摘があった。日経平均株価を対象としたオプション価格から算出する日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は一時16を割り込み、不安心理の高まりを示すとされる20を大幅に下回る水準にある。
日本時間18日午前に発表された中国の1~3月期国内総生産(GDP)は、物価変動を除く実質で前年同期比4.5%増だった。市場予想を上回ったが、東京株式市場での反応は限られた。
指数インパクトの大きい半導体関連株の軟調が続いている中でも、日経平均が連騰劇を保ち、直近高値の更新を窺うまでの動きを見せていることはポジティブに捉えられる。半導体株が復活しない限り、指数の上昇には限界があるとも考えられていたが、主役が入れ替わることで資金が上手く循環しているようだ。
一方、米金融決算に話は戻るが、金融資産の管理などを手掛けるステート・ストリートは対照的に1-3月期決算で1株利益が予想を下回り、株価は大幅に下落した。市場予想に反して投資商品への資金フローは純流出となり、4-6月期も純流出が続く可能性が指摘された。
日経平均は記録的な連騰を見せているが、この間、東証プライム市場の売買代金は盛り上がりに欠けており、相場のムードが強いとは自信を持って言い切れない。日米ともに今後本格化する企業決算を見極めたいとの思惑が強く、様子見ムードの中、足元は悲観の後退でひとまず買いが優勢になっているに過ぎないともいえる。弱気になり過ぎるのも強気に傾き過ぎるのも今は得策ではないと思われ、日々の材料を一つ一つ慎重に分析していくしかなさそうだ。
東証株価指数(TOPIX)は続伸した。前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆2083億円、売買高は5億800万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1441、値下がりは321、変わらずは73だった。
業種別株価指数(33業種)は銀行業、水産・農林業、小売業、食料品などが上昇した。下落は鉱業、海運業など。
個別では三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクが堅調、ソニーグループ、任天堂などもしっかり。三井物が年初来高値を更新した。三菱商事が買い優勢、日立製作所も高い。SOMPO、高島屋、イオンが買われた。テラスカイが連日の急騰で値上がり率トップとなり、HIOKI、アセンテックなども値を飛ばした。ソシオネクストも高い。
半面、レーザーテック、東京エレクトロン、アドバンテストなど半導体セクターの主力株が売りに押され、INPEXも冴えない。セガサミーホールディングスが下落。IDOMも大幅安となった。
