31日午前の日経平均株価は反落し、前日比155円67銭(0.55%)安の2万8039円91銭、東証株価指数(TOPIX)は9.97ポイント安の1958.41と、ともに軟調だった。
前場の東京株式市場は終始売り優勢の展開。前日の米国株市場では、インフレ懸念を背景に主要株価指数が総じて安く、NYダウが3万2000ドルのフシ目を割り込んだほか、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も1万2000の大台を下回った。これを引き継いで東京市場でもリスク回避の売りがかさむ展開となり、寄り付きに日経平均は2万8000円台を割り込んでのスタートとなった。ただ、その後は押し目買いが入り下げ渋っている。
日本時間10時30分ごろに中国国家統計局と中国物流購入連合会(CFLP)が発表した8月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は2カ月連続で景気判断の分かれ目となる50を下回った。中国の景気減速懸念も相場の重荷となった。
岸田文雄首相が首相官邸で記者会見し、入国者数の上限を9月7日から5万人に引き上げると表明した。経済活動の再開期待は相場の支えだった。JAL、ANAHDはともに年初来高値を更新した。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆2273億円、売買高は4億9092万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1314、値上がりは470、変わらずは50だった。
業種別株価指数(33業種)は鉱業、石油・石炭製品、海運業、卸売業などが下落。空運業、保険業などは上昇した。
個別では、ソニーG、信越化、キーエンスの値がさ株が大きく下落。原油先物価格の急落を受けて前日から一転、INPEX、石油資源開発、ENEOSなどが大幅安。郵船、川崎汽船など海運のほか、三井物産、三菱商事などの商社、DOWA、JFEなど市況関連株が全般売られている。F&LCは国内外の証券会社による目標株価引き下げや「マグロ偽装」疑惑の一部報道を受けて大幅安となった。ファストリ、信越化、ソニーGが下げた
一方、京セラ、京成が高い。ダブル・スコープは大幅反発。ノルウェーのフレイヤー・バッテリーと合弁契約を締結した日本電産も堅調。足元の円安基調や国内メーカーの7月世界生産台数が前年比プラスとなったことを手掛かりに日産自、三菱自、SUBARUなど自動車各社が高い。ローム、新光電工などハイテク株の一角も堅調。JALは大幅高で連日の年初来高値。JR西など陸運各社も前日に続き堅調。IRJHDは、元役員のインサイダー取引疑惑を巡る調査報告書を受領し、不正に対する会社組織の関与が否定されたことで警戒感が後退して急伸。東証プライム市場の上昇率上位にはギフティ、オロなど中小型グロース株が並んでいる。
