151ドル安と5日続落、金融引き締めを警戒

 

 
14日のNYダウ工業株30種平均は5日続落した。前日比151ドル91セント(0.5%)安の3万0364ドル83セントで終え、連日で年初来安値を更新した。
 
米連邦準備制度理事会(FRB)はこの日から2日間の日程で行われる連邦公開市場委員会(FOMC)で、0.5%の利上げを検討する方針を事前に表明。だが、米有力経済紙の報道などを受け、0.75%の大幅利上げが決まる可能性が高まっている。また、9月以降の会合でも大幅利上げを継続するとの観測も浮上している。
 
ダウは前日に一時1000ドルを超える下げを記録したため、朝方は安値拾いの買いが入り堅調な値動きを示した。ただ、買い一巡後はFRBの積極的な利上げが景気を急激に悪化させるとの警戒感が広がり、ほぼ終日マイナス圏で推移。FOMCでの決定を控えて様子見姿勢も広がり、底堅い値動きだった。
 
利上げ加速を見越し、米長期金利は一時、前日比0.13%高い3.49%と2011年4月以来の高水準を付けた。債券利回りの上昇で株の相対的な割高感が意識されたのも相場の重荷となった。ダウ平均の下げ幅は一時370ドルを超えた。
 
相場は下げ渋る場面もあった。市場ではFOMC後に「噂で売り、事実で買う動きが出る可能性がある」との声が聞かれた。ダウ平均は前日までの4営業日で2663ドル下げており、下値では押し目買いが入った。
 
 
前日まで比較的値持ちが良かったディフェンシブ株への売りが目立った。日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)と飲料のコカ・コーラが3%安となり、医療保険のユナイテッドヘルス・グループや医薬品のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)も安い。消費関連株の一角には売りが続き、映画・娯楽のウォルト・ディズニーやホームセンターのホーム・デポも下げた。
 
一方、前日まで売りが目立った航空機のボーイングが5%高となった。ハイテク株の一角も買われ、スマートフォンのアップルとソフトウエアのマイクロソフトが反発した。
 
ナスダック総合株価指数は5営業日ぶりに反発し、前日比19.120ポイント(0.2%)高の1万0828.345で終えた。主力株はまちまち。検索サイトのアルファベットや電気自動車のテスラ、半導体のエヌビディアが上昇した一方、ネット通販のアマゾン・ドット・コムと交流サイトのメタプラットフォームズは下げた。
 
S&P500種株価指数は前日比14.15ポイント(0.4%)安の3735.48で終えた。ダウ平均と同様に連日で年初来安値を更新した。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
30,364.83-151.91
S&P500種
3,735.48-14.15
ナスダック
10,828.345+19.120
FTウィルシャー5000
37,856.93-135.81
NY金(ドル/トロイオンス)
1,813.50-18.30
NY原油(ドル/バレル)
118.55-0.38
円・ドル
135.42 – 135.44+1.00
 
 


【シカゴ日本株先物概況】

 
14日のシカゴ日経平均先物は小幅に反発した。9月物は前日比45円高の2万6420円で引け、14日の大取終値を240円下回った。
米長期金利の上昇を背景に円相場が下げ、買いを支えた。
15日のFOMC(米連邦公開市場委員会)の結果発表を控え、積極的な利上げへの警戒感が強まる格好となった。ダウ工業株30種平均が続落し、日経平均先物の上値は重かった。
 
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
26420 ( -240 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
26495 ( -165 )
( )は大阪取引所終値比
 

【欧州株式市場】

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7187.46(-18.35)
14日のFTSE100種総合株価指数は6日続落した。前日に比べ18.35ポイント(0.25%)安の7187.46と3カ月ぶりの安値で引けた。イングランド銀行(英中央銀行)による利上げ継続と高インフレが消費者心理の重荷になることが意識され、消費関連株に売りが出た。
個別銘柄を見ると、英オンライン食品販売オカド・グループが10%超の急落。英ホームセンター大手キングフィッシャーも4.4%安とさえなかった。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13304.39(-122.64)
14日のドイツ株価指数(DAX)は6日続落した。前日に比べ122.64ポイント(0.91%)安の1万3304.39と約3カ月ぶりの安値で終えた。
ドイツ国債利回りの上昇やインフレ継続で、コスト上昇が企業収益を圧迫するとの見方が売りを誘った。化学など素材株や自動車株に売りが出た。DAXでは独スポーツ用品大手アディダスが3.0%安と軟調となった。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5949.84(-72.48)
フランスCAC40種指数は1.20%安となった。
米連邦準備制度理事会(FRB)が0.75%の大幅な利上げに踏み切るとの観測が強まる中、金利上昇による景気悪化に懸念が広がった。欧州中央銀行(ECB)の高官からもタカ派発言が出ていた。
CACでは仏酒造大手ペルノ・リカールが3.2%安と売られた。

株ちゃんofficial xはこちら!
目次