19日午前の日経平均株価は小幅に反落し、午前終値は前週末に比べ15円50銭安の3万8047円17銭だった。
朝方は一時300円を超えて下落した。ただ、下値では買いが入り、日経平均は上昇する場面もあるなど、方向感は乏しかった。
外国為替市場でドル安・円高に振れていることでハイテクなど輸出セクターの銘柄には向かい風となっているが、バリュー系の銘柄群が強さを発揮している。日経平均は前引け時点ではわずかにマイナス圏で着地したものの、中小型株に買われるものが目立つ。
前場の売買代金は1兆8000億円台と盛り上がりを欠いている。値上がり銘柄数と値下がり銘柄数は拮抗している。
日経平均は前週末に大幅上昇していたため、戻り待ちの売りが優勢となった。外国為替市場での円高・ドル安が機械や自動車といった輸出関連株の重荷となり、
16日の米株式市場では、このところ買い戻し基調が目立っていた半導体株がやや軟調で、主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が小幅に下落した。東京市場でも東エレクやディスコといった半導体関連株が売られ、日経平均を下押しした。
日経平均は前週末に1300円超高と大幅に上げ、7月11日の最高値から8月5日に付けた年初来安値までの下げ幅の「半値戻し」を達成していたこともあって、戻り待ちの売りが出やすかった。外国為替市場では円相場は1ドル=147円台後半と、前週末夕に比べ1円程度円高・ドル安に振れており、トヨタなど輸出関連株の重荷となった。
朝方の売り一巡後は日本株の底堅さを意識した買いも入り、日経平均は上昇に転じる場面があった。日本取引所グループ(JPX)が16日に発表した8月第1週(5〜9日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家が現物株を4週ぶりに買い越した。市場では「海外のリアルマネー(長期投資家)が戻ってきていることが、買い安心感につながっている」との声が聞かれた。
史上最大の下落幅となった8月5日から2週間しか経過していないが、日経平均は3万8000円台を回復。東京株式市場は落ち着きを取り戻している。ただ、価格帯別売買高では、3万8000円水準での売買が多く、この水準は戻り待ちの売りが出やすいと見られている。プライム市場の売買代金が減少傾向にあるなか、4兆円前後の売買では戻り待ちの売り圧力を吸収できない可能性はある。週末に米ジャクソンホール会合開催を控えていることもあり、週末までは3万8000円水準でのもみ合いとなる可能性もあろう。様子見姿勢が強まり、後場の日経平均は小動きとなりそうだ。
東証株価指数(TOPIX)も反落した。前引けは1.37ポイント(0.05%)安の2677.23だった。JPXプライム150指数も反落し、2.99ポイント(0.25%)安の1195.43で前場を終えた。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆8493億円、売買高は7億7379万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は818。値上がりは773、横ばいは54だった。
業種別では、鉱業、小売業、機械、サービス業、ゴム製品などが下落した一方、海運業、情報・通信業、鉄鋼、銀行業、精密機器などが上昇した。
個別銘柄では、荏原製作所、小松製作所、村田製作所がさえないほか、三越伊勢丹HD、リクルートの下げがやや目立つ。このほか、ソシオネクスト、ルネサスエレクトロニクス、日本取引所グループ、セブン&アイHDが売られた。
一方、国内証券会社のレポートを材料にGSユアサが買い優勢となったほか、レーザーテック、スクリーンHD、ソフトバンクGなど半導体株の一角も買われた。また、国内証券会社のポジティブなレポートが材料視されて日本郵船が買われ、商船三井、川崎汽船も連れ高となった。このほか、エムスリー、住友ファーマ、あおぞら銀行、マツダが買われた。
