27日午前の日経平均株価は反落し、前引けは前週末比145円82銭(0.43%)安の3万3479円71銭だった。
朝方買い先行でスタートし、日経平均株価は一時180円あまり上昇し3万3800円台まで水準を切り上げる場面があったが、その後は値を消す展開となった。
前週末の欧州株市場がほぼ全面高に買われたことや米国株市場でもNYダウが上値指向を継続したことで寄り付き段階ではリスク選好ムードだった。しかし、3万3000円台後半では動きが鈍くなった。買い一巡後は目先高値警戒感が拭えず、上値の重さが意識されている。前場取引時間中に外国為替市場で急速にドル安・円高方向に振れたことも、輸出セクター中心にネガティブに作用している。
海外投資家は日本株を11月第3週(13~17日)まで、現物株と先物の合計で2週連続で1兆円を超える高水準の買い越しとなるなど、海外勢の買い意欲は強い。もっとも、日経平均は11月に入って急ピッチの上昇が続き、前週末までに2700円あまり上げていた。短期的な高値警戒感が相場の重荷となった。
前週末24日の米株式市場でダウ平均は続伸し、終値は前営業日の22日に比べ117ドル(0.33%)高だった。米連邦準備理事会(FRB)による利上げ局面が終了したとの観測が引き続き株価を押し上げたが、ハイテク株が中心のナスダック総合株価指数は小幅に下落したため、日本株への買いの波及は限られた。
日経平均は、年末とクリスマス休暇を控えた機関投資家のポジション整理の売りが一時的に高まる傾向があるという。
また、11月30日はMSCI日本株指数に絡む銘柄入れ替えの売買による一時的な波乱が生じる可能性もある。ただ、米国の利上げサイクルが終了したとの投資家の見方は強まっており、ネガティブな材料も乏しい。
25日移動平均線が75日線を下から上に抜けてゴールデンクロスを形成しており、テクニカル面でも追い風となっている。総じて、下げ幅を大きく広げる展開は想定しにくく、マイナス圏でもみ合う展開となりそうだ。
東証株価指数(TOPIX)は反落し、前引けは9.31ポイント(0.39%)安の2381.63だった。JPXプライム150指数も反落し、4.17ポイント(0.39%)安の1056.37だった。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆6260億円、売買高は6億2730万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1001。値上がりが589、横ばいは69だった。
業種別株価指数(33業種)では非鉄金属、電気・ガス業、輸送用機器の下落が目立った。上昇は海運業、鉄鋼、その他金融業など。
個別では、三菱商事や三井物産などの商社株、トヨタ自やホンダなどの自動車関連株が軟調に推移。また、JR東やJR東海などの陸運株、日本航空やANAなどの空運株、ソフトバンクグループ(SBG)、京セラ、中外薬、サイバーエージェント、キーエンス、TOWA、三菱重工業なども下落した。ほか、9年ぶりの公募増資実施を発表したゼンショーHDが大幅下落、Ubicomホールディングス、クロスキャット、TSIホールディングスなどが値下がり率上位となった。
一方、川崎船や日本郵船など、三菱UFJや三井住友などの金融株が堅調に推移。また、ファーストリテ、ソニーG、リクルートHD、アドバンテ、JT、シャープ、花王なども上昇した。ほか、1対2の株式分割実施を発表したニチモウが上昇、ネットプロHD、システナ、KOKUSAIなどが値上がり率上位となった。
