142円高と続伸、TOPIXは一時34年ぶり高値

 
2日午前の日経平均株価は3日続伸し、午前終値は前日比149円52銭(0.38%)高の3万9780円58銭だった。
銀行や保険などを中心としたバリュー(割安)株の上昇が引き続き目立ち、東証株価指数(TOPIX)は連日で取引時間中として一時34年ぶりの高値を付けた。
 
朝方こそ売り先行で始まったが、寄り後ほどなくして日経平均は戻り足に転じ、前場後半にかけて一貫して下値を切り上げる強調展開となった。前日の米国株市場でナスダック総合株価指数が最高値を更新したことや、外国為替市場で円安水準が維持されていることが追い風となっている。一時300円近い上昇で3万9900円台まで上値をのばし、4万円大台乗せも視界に入ったが、前引けにかけて手仕舞い売りで上げ幅を縮小した。
ただ、大型株に対する買い意欲は旺盛だ。バリュー株物色の流れが強まるなか、金利上昇を好感して大手金融株に物色資金が向い、全体相場を押し上げる格好となっている。
 
米国で6月27日開かれたテレビ討論会を受け今秋の米大統領選挙でトランプ前大統領の勝利が意識され始めている。財政悪化やインフレが高まる可能性が警戒され1日のニューヨーク債券市場で米長期金利が一時4.49%と約1カ月ぶりの水準まで上昇。2日の国内債券市場でも長期金利が上昇し、利ざや改善期待から銀行や保険など金融株に買いが入り指数を押し上げた。三菱UFJは株式分割を考慮したベースで2006年以来約18年ぶりの高値を付けた。
 
外国為替市場で円相場は1ドル=161円台と円安基調での推移が続いており、輸送用機器や精密機器、機械など輸出関連の一角も堅調だった。市場関係者は円安進行を受け、「保守的だった2025年3月期業績予想に対する警戒感が後退している」と話す。同時に「株主還元の強化や、中国などに比べ底堅い日本経済に着目した海外投資家が下値を拾う動きになっている」と指摘した。
 
後場の東京株式市場は引き続き為替、金利市場を横目にTOPIX優勢の地合いは続くだろう。為替は1ドル161円50銭台で推移しており、昨晩の海外時間に161円70銭台に乗せた後も目立った円買いなどの動きは見られず。先週末のテレビ討論会の結果、トランプ前大統領の当選確率が高まったとの思惑から、トランプ氏が景気拡大のための財政拡張を実行するとの見通しが強まり米国金利は上昇。日本の10年国債利回りも1.08%まで上昇しているが、10年物国債の日米金利差は3.4%とやや拡大したことで、円安ドル高基調が強まっている。緩やかな円安推移のため、政府・日本銀行による円買い介入は実施しにくいとの見方も強く、1ドル162円台は時間の問題との声が多い。

 


 
TOPIXは続伸し、前引けは21.93ポイント(0.78%)高の2846.21だった。1日に付けた年初来高値を一時、上回った。JPXプライム150指数も続伸し、8.37ポイント(0.68%)高の1246.15で前場を終えた。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆1346億円、売買高は8億8988万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は840、値下がりは737、横ばいは68だった。
 
業種別では、鉱業、保険業、証券・商品先物取引業、海運業、石油・石炭製品などが上昇した一方、パルプ・紙、倉庫・運輸関連業、陸運業、ゴム製品、鉄鋼などが下落した。
 
個別では、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループなどメガバンクの上げ足が目立つほか、川崎汽船が急上昇するなど海運株も人気。東京海上ホールディングス、三井住友FGが高く、三菱商事、HOYA、第一三共なども買いを集めた。三菱重工業が活況高。スター・マイカ・ホールディングスが大幅高に買われ、ミネベアミツミも値を飛ばした。
 
半面、売買代金首位のレーザーテックが下値を模索、東京エレクトロン、ソシオネクストも軟調。高島屋も利食われた。ミガロホールディングスが急落、ユニチカ、ネクステージなども大幅安。大塚HD、ニトリHDも安い。

 

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