10日午前の日経平均株価は反発し、前引けは前日比138円57銭(0.5%)高の2万7722円92銭だった。東証株価指数(TOPIX)は7.13ポイント高の1992.13と続伸した。
前日の米株式市場は下落したが、東京株式市場で日経平均株価は前日まで3日続落しており、値頃感からの買いが流入。好決算銘柄への買いも目立ち、業績の上方修正と株式分割を発表した東京エレクトロンが買われ1銘柄で日経平均を約69円押し上げるなど、値がさ株が上昇したことも寄与した。先物には海外投資家からとみられる買いが流入している。
日経平均の上げ幅は一時200円を超えた。外国為替市場で円相場が1ドル=131円台半ばと、前日夕に比べて円安・ドル高で推移している。円安進行を受けて輸出企業の採算が上向くとの見方が強まった。前日の米株式相場はハイテク株を中心に下落したが、日本株への売りの波及はみられなかった。
買い一巡後は利益確定売りが出てやや伸び悩んだ。市場関係者は「きょうは個別物色中心の展開で、米景気の減速懸念などは続いている」とみていた。
なお、2月限オプション取引に係る特別清算指数(SQ)は概算で2万7779円75銭だった。
力強い動きが続いていた米株式市場も、S&P500種株価指数は前日にかけて2日連続の陰線を形成し、調整局面入りを示唆している。一方、米個人投資家協会(AAII)の週次調査によると、ブルベア・スプレッドはプラス12.5と、前週のマイナス4.7から上昇し、2022年4月以降で初めて強気に転じたという。ただ、こうしたセンチメント指標は逆バリの好機を示唆しているようにも捉えられ、この点からも目先は注意が必要な局面になってきたといえる。短期的には調整相場入りに警戒したい。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆9275億円、売買高は7億6117万株だった。東証プライム市場の値上がり銘柄数は933と、全体の約5割だった。値下がりは817、変わらずは86だった。
業種別株価指数(33業種)では鉄鋼、保険業、その他製品などが上昇。鉱業、石油・石炭製品、不動産業などは下落した。
個別銘柄では、決算内容が好感され日本製鉄が商いを伴い上昇したほか、アドバンテスト、ファーストリテイリングやルネサスエレクトロニクスが上昇。三菱UFJフィナンシャル・グループや三井住友フィナンシャルグループも堅調。大日印や凸版、東海カ、スクリン、神戸鋼が買われた。ダイキン工業や信越化学工業、SMC、ネクソンも値を上げた。
半面、レーザーテックやソフトバンクグループが安く、トヨタ自動車やソニーグループ、リクルートホールディングス、三菱地所、NTTデータ、フジクラが値を下げた。
