134円高と反発、インバウンド関連高い

 
10日午前の日経平均株価は反発し、午前の終値は前日比134円62銭(0.42%)高の3万2338円95銭だった。
 
前日の米国株市場で主要株価指数が揃って下落したことを受け、朝方はリスク回避ムードのなか売り優勢の展開で日経平均は安く始まった。しかし、その後は押し目買いが優勢となり上昇に転じている。中国政府が中国人の日本への団体旅行を解禁する方針にあることが伝わり、インバウンド関連の一角が買われたほか、原油市況の上昇を背景に資源エネルギー関連株などが買われ全体を押し上げた。一方、半導体関連株などは値を下げる銘柄が多くなっている。決算発表を受けてINPEXや富士フイルム、ホンダなども大きく上げた。
 
朝方に一時200円近く下落したが、日銀の金融緩和姿勢や堅調な企業業績などを背景に日本株の先高観は強く、節目の3万2000円では押し目買いが入り、上げに転じた。
 
日経平均は寄り付き直後に下げる場面もあった。米政府が先端半導体などの分野で中国への投資規制を導入する方針だと伝わり、9日の米株式相場はハイテク株を中心に下落。東京市場でも東エレクなどの値がさの半導体関連銘柄が下げ、指数を下押しした。
 
国内は明日から3連休で立ち会いは本日が最後となる。こうしたなか、今晩には米7月消費者物価指数(CPI)、明日11日には米7月卸売物価指数(PPI)が発表予定だ。米7月CPIは総合および食品・エネルギーを除いたコア指数ともに前月比+0.2%と前回6月分と同じ伸びが予想されている。
一方、前年同月比では総合が+3.3%と6月(+3.0%)から加速する見込みで、コア指数は前年同月比+4.7%と6月分(+4.8%)から小幅な鈍化が予想されている。ある程度は織り込み済みとはいえ、CPIコア指数が米連邦準備制度理事会(FRB)の目標値である2%を大幅に上回ったままであるなか、CPI総合の伸びが13カ月ぶりに加速に転じるとなると、インフレ高止まりが想起される恐れがある。
 

 


東証株価指数(TOPIX)が13.55ポイント高の2296.12と反発。前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆2373億円、売買高は8億6096万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1142、値下がりは622、変わらずは70だった。JPXプライム150指数も反発し、前引け時点で1.49ポイント(0.14%)高の1029.63だった。
 
業種別株価指数(33業種)では鉱業、石油・石炭製品、保険業の上昇が目立った。下落は精密機器、電気機器、サービス業など。
 
個別では、業績・配当予想の上方修正と自社株買いを発表したINPEXが大商いで急騰したほか、三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクが堅調。川崎汽船が買われ、第1四半期の好決算や株式分割を発表したホンダも大きく上値を伸ばした。富士フイルムホールディングスが大幅高。Sun Asterisk、長野計器も値を飛ばした。
ほか決算関連では第1四半期決算から業績予想を上方修正した日本板硝子、ロート製薬、日本空港ビルデング、第1四半期が好スタートとなった長野計器、千葉興業銀行、武蔵精密工業、今期増益見通し及び中期経営計画の見直しが評価されたやまみ、4-6月期の営業黒字転換や新中計の発表が材料視されたコカ・コーラ、上半期が計画比で上振れ着地となり自社株買いも発表したネクソン、上半期が大幅に上振れたメック、業績予想を上方修正した東洋炭素などが急伸している。
 
 
半面、群を抜く売買代金をこなしたレーザーテックが値を下げ、第1四半期はほぼ想定線も半導体や映画事業の不振などが嫌気されたソニーグループも売られた。ソシオネクストも安い。第1四半期が2桁減益で市場予想を大幅に下回ったオリンパスが大幅下落、リクルートホールディングスの下げも目立つ。
第1四半期が2桁減益決算で低い進捗率となった三菱マテリアル、減益基調が続いたサントリー食品、4-6月期営業利益が市場予想を下回ったコーセーなどが大きく下落。増益決算と利益予想の上方修正を発表したJMDCはインダストリー向けの伸び率鈍化が嫌気されたか大幅安。ほか、決算関連では第1四半期が大幅増益も計画据え置きが失望された円谷フィールズ、第1四半期好決算もサプライズに乏しく出尽くしにつながったじげん、第1四半期の低い進捗率が嫌気されたシンクロ・フード、業績予想を下方修正したグローブライト、減益決算が嫌気されたオプトランなどが急落した。

 

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