10月31日のNYダウ工業株30種平均は7営業日ぶりに反落し、前週末比128ドル85セント(0.4%)安の3万2732ドル95セントで終えた。前週末までの6日続伸で2500ドル強上げた後とあって、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を11月2日に控えて目先の利益を確定するための売りが優勢となった。米長期金利が上昇したのも相対的な割高感による株売りを誘った。
ダウ平均は月間では14.0%上昇し、1976年1月以来の高い上昇率となった。
米連邦準備理事会(FRB)は今回のFOMCで4会合連続で0.75%の利上げを決める見込み。
この日は、FOMCを直前に控えて警戒感が強く、売りが先行して取引が始まった。インフレ率は高止まりし、労働市場も逼迫する中、大幅利上げへ継続の警戒感も強く、パウエルFRB議長の会見などを見極めようと、様子見姿勢も強い。
米長期金利が一時4.1%台と前週末終値(4.02%)から上昇した。金利上昇時で割高感が意識されやすい高PER(株価収益率)のハイテク株が売られ、スマートフォンのアップルやソフトウエアのマイクロソフトが下げた。アナリストが投資判断を引き下げた建機のキャタピラーのほか、化学のダウなど景気敏感株も売られた。
ダウ平均は朝方に270ドル超下げた後は、小高くなる場面もあった。米長期金利の上昇を受けてゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなど金融株が上げた。ディフェンシブ株の一角も買われた。
ナスダック総合株価指数は反落し、前週末比114.306ポイント(1.0%)安の1万0988.146で終えた。交流サイトのメタプラットフォームズが6%下げ、ネット検索のアルファベットも売られた。
【シカゴ日本株先物概況】
10月31日のシカゴ日経平均先物は続伸した。12月物は前日比45円高の2万7550円で引けた。
同日の日本株が上昇し、日経平均先物にも買いが波及した。ただ、NYダウは、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策決定会合への警戒感から、7営業日ぶりに反落した。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
27550 ( 0 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
27555 ( +5 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7094.53(+46.86)
31日のFTSE100種総合株価指数は反発した。前週末に比べ46.86ポイント(0.66%)高の7094.53で引けた。外国為替市場でドルに対して英ポンド安が進んでいる。アストラゼネカやグラクソ・スミスクラインといった米国売上高比率が高い医薬品株の一角に買いが入った。
個別では、指数構成銘柄の6割強が上昇。航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)が5.4%高と相場をけん引したほか、エネルギー小売り大手セントリカが4.7%高、金融大手ナットウエスト・グループも4.4%高と買われた。一方、品質検査会社インターテックは2.8%安と、下落率が最も大きかった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13253.74(+10.41)
31日のドイツ株価指数(DAX)は小幅ながら6日続伸した。前週末に比べ10.41ポイント(0.08%)高の1万3253.74で終えた。高インフレの継続懸念が株式の上値を抑えた。公益事業株やヘルスケア株などディフェンシブ銘柄への買いが相場を支えた。
個別では、医療サービス大手フレゼニウス・メディカルケアが6.6%高と急伸。半面、通販大手ザランドは3.5%安と売り込まれた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6266.77(-6.28)
フランスCAC40種指数は0.10%安だった。この日発表された10月のユーロ圏消費者物価指数(CPI)は前年同月比10.7%上昇と過去最高を更新し、株価の下押し材料となった。
